マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集【公演評】濱田めぐみソロコンサート
深紅のイメージ、圧巻の「ルージュ」

2013年5月15日
写真

 濱田めぐみのソロコンサート「Rouge(ルージュ)」がこのほど、東京・天王洲銀河劇場と大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで行われた。ソロコンサートとしては、2012年7月、東京での公演に続く2度目の開催で、大阪での公演は今回が初めて。濱田の声量豊かな歌唱力に圧倒され、歌の世界観が目に浮かぶ、鮮烈な印象のコンサートだった。(フリーライター・岩瀬春美)

 劇団四季の看板女優として、15年間活躍してきた濱田。10年12月に退団し、ミュージカル女優として新たな出発をした12年には「ボニー&クライド」、「ジキル&ハイド」、「アリス・イン・ワンダーランド」と話題の作品に出演。専門誌「ミュージカル」が選ぶ2012年のミュージカル・ベストテンで女優部門1位に選ばれた。「ルージュ」と題した今回のコンサートは、これまで濱田が演じてきた役や、歌に込められたメッセージが「赤の感じ」がしたから、という理由で名付けられた。赤色をモチーフに曲を構成したという。

 オープニングはドラマチックに。照明で深紅に染められた舞台空間に、真っ白なパンツスーツ姿の濱田がさっそうと登場。アップテンポなリズムに乗って、まずはフランク・ワイルドホーン作曲の「カルメン」から「Viva」。「今を生きる」というメッセージが込められたこの曲を、しびれるような力強さで歌い切った。

 濱田はその歌声と表現力で、物語の世界に引き込む力が強く、深い。とりわけ心に染み入ったのが、「ボニー&クライド」で濱田が演じたボニーが歌う「死ぬのもそれほど悪くない」。このバラード曲では、命を投げうってでも、クライドとの愛に生きることを選んだボニーの覚悟が、ミュージカルさながらに息づいていた。

 また、物語から離れて曲と向き合うと、自身の内面と対話をするような感覚にもなる。「一人きり残されるよりも…」、「ありふれた幸せに追い詰められる…」。彼女が選んだ道、今ここに生きている意味、何が幸せで、何が不幸なのか、そういったことが自分事として内に入りこみ、血流となって体内を巡るように、感情が高まっていく。濱田の歌唱を通して、内面を見つめたり、心に問いかけたりと、そんな作用がこの曲では一層増すように感じられた。

 コンサートでは、これまで濱田が出演したミュージカルのナンバーをはじめ、「レ・ミゼラブル」のメドレーや、濱田が大好きだという作品「RENT」から「No Day But Today」、さらにミュージカル作品以外の曲も公演ごとに変えて披露。5月3日、大阪の昼公演での回替わり曲はAIの「Story」だった。

 「レ・ミゼラブル」のメドレーでは、「女性の目から見たフランス革命」というテーマで濱田が「オン・マイ・オウン」と「夢やぶれて」を歌った。エポニーヌの切ない恋心と、ファンテーヌの人生の悲哀が舞台空間に漂う。オープニングの重厚な音色、間奏で流れるオルゴール調の「民衆の歌」など、メドレーは5種類の曲がミックスされており、劇場内に「レ・ミゼラブル」の世界が浮かび上がってくるようだった。この曲を境に、会場の空気がこれまでの暖かいムードから熱気へと一気に上昇。

 客席の興奮が最高潮に達したのが、アンコール曲「ウィキッド」より「defying gravity」。濱田が劇団四季で演じたエルファバ役の人気ナンバーだ。遠くまで届くようなメロディーと響き。濱田のその歌声は、肉体を超越して、まるで天地と直結しているような壮大なスケールで、圧巻だった。

 コンサートのテーマについて濱田は、「シリーズ化した場合、色だといろんな種類があり、イメージが伝わりやすいと思いました」とパンフレットの対談で話している。濱田は今後、「二都物語」、「モンテ・クリスト伯」に出演。次回のコンサートではどんな色になるのか。2013年の濱田の出演作品を観て、次の色を予測するのも楽しみのひとつになるかもしれない。

【フォトギャラリーはこちら】

◆ミュージカル「二都物語」
《東京公演》2013年7月18日(木)〜8月26日(月) 帝国劇場
⇒詳しくは「二都物語」公式サイトへ http://www.tohostage.com/nito/

◆ミュージカル「モンテ・クリスト伯」
《東京公演》2013年12月7日(土)〜29日(日) 日生劇場
⇒詳しくは「モンテ・クリスト伯」公式サイトへ http://www.tohostage.com/montecristo/
《大阪公演》2014年1月3日(金)〜5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
⇒詳しくは梅田芸術劇場公演情報へ http://www.umegei.com/schedule/294/

《筆者プロフィール》岩瀬春美 福井県小浜市出身。人生の大半を米国ですごした曾祖父の日記を読んだことがきっかけでライターを志す。シアトルの日本語情報誌インターン、テクニカルライター等を経て、アサヒ・コム編集部のスタッフとして舞台ページを担当。2012年1月よりフリーランスのライターとして活動。

バックナンバー

宝塚歌劇一覧へ>> 舞台一般一覧へ>> 動画掲載記事一覧へ>> 過去記事一覧へ>>

過去記事一覧へ>>

ページトップへ戻る

Astandについて個人情報著作権利用規約特定商取引会社案内お問い合わせ