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特集(4)呼吸ぴったり、素直に龍・愛希ペア

2013年5月16日

写真:「ME AND MY GIRL」より「ME AND MY GIRL」より、ビル役の龍真咲(写真右)、サリー役の愛希れいか(左)=撮影・廣江修

 そんな名門ヘアフォード家のみなさんの前に登場したビルは、まさに異星人。上流階級の人々には縁のない口調から未知の単語がポンポン飛び出し、目にもとまらぬ速さで動き回り、周囲をただただ圧倒させます。龍さんはルックスからもビルのイメージそのままでしたが、元気の良さも文句なしで、舞台狭しと弾けまくっています。ビルと言えば、帽子やリンゴなどの小物を使ったパフォーマンスが必須ですが、難しい技に一生懸命取り組む姿もほほえましくて、時折、失敗するのもまたご愛嬌でしょうか。

 ―突然、伯爵家の跡取りに据えられたビルは、恋人のサリー(愛希)を屋敷に呼び寄せ好き放題にふるまうが、当主になれば結婚できないのではと、サリーの心は不安でいっぱいだった。マリアの厳しい指導が始まっても、ビルはふざけてばかり。だがマリアは、教育なんて無駄だというジョン卿の意見に耳を貸そうともしない。それでも徐々に変わっていくビルを見て、サリーは身を引いた方が良いのではと考え始めていた。そんな中、マリアはビルの伯爵家継承祝いのパーティーを企画し、ビルを上流階級に紹介するという。

 2月に行われたハッピーイベントでも感じていましたが、愛希さんはこれ以上ないほどサリーにピッタリです。おきゃんな下町の女の子ですが、空気を読むことに長けていて、ビルの将来のために自分の存在はマイナスになるのではと早い段階から気にし始めました。ビルはいつも無邪気で、サリーと結婚することになんの疑問も持っていませんが、そんな彼を見るたびに、彼女の心は、現実を強く悟っていくようになります。ソロで歌う「あなたの心を一度なくすと」や「顎で受けなさい」は、サリーの心情が痛いほどに伝わり、切なくてたまりません。下町っ子の役でも娘役としての品は損なうことなく、発声もしっかりしていて、ビルを愛するがゆえに苦しむ気持ちを豊かに表現し、サリーの理想形を見るようでした。

 龍さんと愛希さんのコンビはバランスが良くて、呼吸が合っている心地よさが味わえます。2人で向き合うシーンの龍さんは一番素直に演じられているように見え、特に2人で歌う主題歌「ミー&マイガール」や「私の手を握って」は、やっぱり最高でした。

 サリーは、パーティーでビシッとタキシードを着こなすビルの前に、わざとランベス・キング(煌月爽矢)ら昔の仲間と乱入する行動に出ました。ビルとはもう住む世界が違うんだと知らしめるために。ここで登場する「ランベス・ウォーク」は、宝塚における全作品の中でも有名なナンバーです。ビルと仲間たちだけでなく、出演者全員が陽気に歌い踊り、ついには戸惑っていたマリアまでもが参加して、客席を巻き込んでのダンシング。ここはぜひ一緒に歌って、盛り上がってみましょう。ビルとマリアが帽子とティアラを交換し、腕を組んで屋敷の中に消えていく後姿が印象的な、1幕のラストシーンも洒落ています。

 2幕の始まりは、なんとジャッキーとジェラルドがお芝居をしながら客席に登場し、お客様にオリジナルグッズの缶バッジをプレゼントして歩くというサプライズも! そのまま舞台へ上がると、大勢で行うタップダンスが軽快な「太陽が帽子をかぶってる」が始まります。こちらも「ランベス・ウォーク」同様、耳に残る楽しさで、一気にテンションが上がるナンバーです。

 誰がなんと言おうともサリーとは別れないと揺るがないビル。けれどサリーはついにビルの前から姿を消してしまいました。そんな彼らを見かねたジョン卿は、救世主となって、サリーに思いもよらぬ作戦を持ちかけたことから、大どんでん返しが始まります――。

 2幕では、ビルがヘアフォード家のご先祖様たちと対峙したり、酔っぱらいながらジョン卿と「愛が世界をまわらせる」を歌う図書館のシーンや、ランベスに戻ったサリーを追いかけてきたビルが街角で「街灯によりかかって」を歌うなど、次から次へと名場面が連続。そして最後は、ジョン卿の粋なはからいによって、感動のラストシーンが待っています。みんなが幸せになれる大団円の結末は、爽快の一言。やっぱりミーマイは面白いと再確認でき、満足感でいっぱいにさせてもらえました。

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