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特集(5)人は生きていけるんですよ、死ぬまでは

2013年5月21日

写真:伊礼彼方撮影・岩瀬春美

 人は生きていけるんですよ、死ぬまでは。もしかして俺だって、明日死ぬかもしれない。だから僕は毎回、真剣に人と向き合います。その人が聞こうとしている本質を、やっぱり僕も伝えたいと思うし。でもこういうことを毎日言葉にしていると、重たいんですよ(笑)。こういうインタビューだから、僕はしゃべっていますけど。

――普段口には出さなくても、考えている。

 常にこういうことを考えて生きていますね。だから、独立したことも周りからはすごい、と言われますが、僕にとっては自然な流れです。俺がやりたいことの第一歩というだけで、やっとこの時期がきました。根本的に、何を意識して生きているかという違いだけですね。

――今の伊礼さんの意識は、役者だけではないのですね。

 もちろん、役者としてこういう仕事をしたい、ああいう役をやりたいという目標はあります。でもそれは、目的ではありません。僕はまずは人間として、存在したいと思っています。それに、現実の世界の真実を知ってこそ、夢を与えられると思いますので。

――以前は聖書について勉強されたこともあったそうですが、最近はどういう本を読まれていますか?

 今は…、経済学(笑)。大手企業の社長さんの自伝とか、あとは経理的な本とか…。今すごくはまっているのは、弟の影響ですが「価値とは何か」という話。マルクスを読んだりしています。資本主義の批判も肯定もしている本ではあるんですけど、そういう話になると、役者のインタビューじゃなくなりますね(笑)。

――今ならではの関心ですね。

 自分に必要な情報はどんどん取り入れています。今はとくに弟とはそういう話をよくしますね。マルクスを勧めてくれたのも弟です(笑)。

――独立前から、ビジネスの話はわりとされていましたか?

 そういう話が出来る人とはしていましたね。ファンクラブも会社というイメージで組織のようにしていましたし。いずれ会社を作るために、ファンの方々を動揺させないためにも、最初からそういう設定にしていたんです。

――計画的に物事を進めていらっしゃいますね。

 そう言われればそうですね。社長になったら、本気で応援してくれている人たちは喜ぶはずですし、もちろん、独立して大丈夫なのかという不安も生まれます。そこで、この5年間がんばってきた姿を見てもらい、だから独立しても俺は変わらないし大丈夫、というのを見せる時間が必要だった。

 準備期間があって、目標を立てて、一歩一歩進んでいくことが、遠回りに見えても、じつは一番の近道だと僕は思っています。がんばって近道をしようとして転落したら、何の意味もないんですよ。時間がかかっても、最終的にはそこに昇りつめればいいわけで。

――地道に、これからも役者としての道筋を描いておられますね。伊礼さんのビジョンについて、もう少し具体的にお聞かせいただけますか?

 今はこの仕事で、会社を養っていくことです。それができれば支えてくれている方たちとの関係性もつなげていけますので、まずはそれが第一目標。その先の目標はありますが、まずは土台をつくることが一番ですね。

 今やっと、芽が出た状態なんですよ。それを今度は強くて太い木にするために、根を深く作っていかないといけないと思っています。その作業は時間がかかりますが、僕はそういうことがとても好きなんですよ。

 たとえば、1回でわかる人がいれば、100回言ってもわからない人もいる。だったら101回伝えようとか。それだけの話です。

――伊礼さんは前向きですね。

 前向きです。どんなに悪い人間だって、何かしらいいところが一つはあるんだから、そのいいところを見つけるのは、一緒にいればわかるじゃないですか。そこを見ていき、それがわかる人間と出会えれば、その人の居場所が初めてそこに生まれる。

 僕もそうやって、色んな方々に自分の居場所を作ってもらってきました。だから、今ここが自分の居場所になるように、常にオープンマインドでいようと思っています。そのためにはいろんなことを、もっと勉強し、経験しないと。まだまだ人間が小さいので。いろんな人をぐっと巻き込めるような、そういう人間になりたいなと思います。

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