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特集【インタビュー】70歳になった世界的トランペッター
日野皓正、ニューアルバムとライブを語る

2013年5月31日

動画撮影・小林勝彦

 ジャズトランペッターの日野皓正が、6月19日にニューアルバム「Unity」をリリースする。そして発売を記念したライブが6月5日、ビルボードライブ大阪で行われることになった。プロモーションで来阪した日野に、アルバムに込められた思い、ライブの見どころなどについて話を聞いた。インタビューを6つの動画に分けて掲載する。(フリーライター・堀内優美)

 今回のアルバムは、日野自身が立ち上げたレーベル「J LAND」から発売。前作アルバム「AFTERSHOCK」に続き、HIP HOP界のdj honda、息子の日野JINO賢二、日野の3人の頭文字をとった「h factor」として収録。この3人に加え、バイオリニストのMASAKI、ギタリストの加藤一平、JINOと活動を共にするMASA小浜、フライドプライドの横田明紀男、アコーディオニストのcobaも参加している。

 「unity」は「調和」「みんな一緒になること」との意味をもち、アルバムジャケットの絵は、手を結んでいるイメージで日野が描いたもの。同タイトル曲「Unity」には「アジアを一つに」と唱え続けてきた思いも込められている。都会的でありながらも、どこか懐かしさを醸し出すような曲で、「一体感」というより個々が自由に演奏しているようにも聴き取れる。

 「音楽というのは、人が声を出せばそれに応えたり、質問したり、会話しているのと同じ。自分からギアを入れて『俺はスゲエんだぜ、強いんだぜ』って演ると、同調性がなくなるし、宇宙の法則に反すると思うんです。例えば『今日は雨ですね』というのに『ラーメンうまかったよな』じゃダメじゃないですか。共通の言葉でしゃべんなきゃいけないわけで、それが無から有を生むわけです」

 アルバム発売に先行し、iTunesで配信されているシングル曲「Never Forget 311」も収録。2011年3月11日に起きた東日本大震災を絶対に忘れてはならないと、日野JINO賢二が作詞し、ラップで歌う。当初はファンキーな曲を一曲入れようというところからはじまったそうだが、被災地の人々への思いや、今の時代を生きる日本人としての思いを込め、フライドプライドの横田が曲をつけた。「Never forget!Never forget 311!」と参加ミュージシャン全員で叫ぶフレーズが印象的で、売り上げによる印税は被災地の子供達に届けられる。

 「東北の子供達に印税あげようよって言ったら、いいですねってみんなが言い出したわけです。うちの息子が歌詞を書いて、横田くんがメロディを書いて、俺たちもリズム作ってるわけだから、おお、いいね!ってことになって……」

 現在、70歳。1960年代から世界を舞台に日本のトップミュージシャンとして活躍し、文部科学大臣賞や紫綬褒章をはじめとする数々の栄誉に輝いてきた日野は、常に時代のトレンドを吸収しながら独自の音楽を進化させてきた。そして今、「h factor」としての活動に力を注いでいる。

 「歌詞があると、例えば『川の流れのように』と言ったら、みんながそう思うわけですが、歌詞がないと、その人によっていろんなことがあるわけですよ。こういう音楽って、ある人には全く違う発想でそれぞれ自由に想像することができるから、その点はいいですよね」

 ビルボードライブ大阪で行われるライブでは、ニューアルバム収録曲を中心に演奏するとともに、その日の来場者限定で、アルバムの先行発売を会場内で予定している。ライブの見どころについて日野は、「(アルバムと)いかに違うようにクリエイトできるかが僕たちの勝負です。同じことやったらつまんないじゃないですか。往々にしてライブっていうのは長くなるし、アドリブが違ってくる。だから、もっと面白く『うわー!スゲエよね』って言われたい。そういうステージに挑戦したいと思っています」と語った。

 ※有料会員登録されている方は、日野さんが若さの秘訣なども語った約30分間の動画全体をご覧いただけます。動画にはニューアルバムに収録した曲の一部も含まれています。

〈日野皓正さんプロフィール〉
1942年10月25日東京生まれ。9歳よりトランペットをはじめ、13歳の頃には米軍キャンプのダンスバンドで活動をはじめる。67年の初リーダーアルバムをリリース以降、マスコミに「ヒノテル・ブーム」と騒がれるほどの注目を集め、国内外のツアーやフェスティバルへの出演をはじめ、雑誌の表紙を飾るなどファッショナブルなミュージシャンとして多方面で活躍。75年、NYへ渡り居をかまえ、数多くのミュージシャンと活動を共にする。その後もヒットアルバムを連発、CM出演など多数。89年にはジャズの名門レーベル、「ブルーノート」と日本人初の契約アーティストとなる。90年以降、「アジアを一つに」という自身の夢のもと、アジア各国での活動を増やしていく。2001年芸術選奨「文部科学大臣賞」受賞。04年紫綬褒章、文化庁芸術祭「レコード部門 優秀賞」、毎日映画コンクール「音楽賞」受賞。現在、dj honda、次男 日野JINO賢二を迎えたユニット「日野皓正 h FACTOR」にてライブを行う他、同ユニットにてニューアルバムを2013年6月19日に発売決定。日本を代表する国際的アーティストとして国内外で精力的に公演を行う他、チャリティー活動や後進の指導にも情熱を注ぎ、また個展や画集の出版など絵画の分野でも活躍が著しい。

◆日野皓正 h factor―unity―発売記念ライブ
《大阪公演》2013年6月5日(水) ビルボードライブ大阪
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8519&shop=2

(関連リンク:日野皓正オフィシャルサイト)
http://www.terumasahino.com/index2.html

《筆者プロフィール》堀内優美 フリーライター。兵庫県淡路島出身。行政の企画情報課で広報・番組制作に携わった後、フリーアナウンサーに。新聞・雑誌・WEBなどで記事の執筆、コラムの連載をしている。自身の経験を生かした音楽・舞台・映画といったエンタテインメント分野が得意。司会者や民間教育機関の講師としても活動している。

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