マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集(1)ついつい目を奪われる、真風の存在感

2013年6月7日

写真:「ロミオとジュリエット」より「ロミオとジュリエット」より、「死」役の真風涼帆=撮影・岸隆子

 2010年、フランス版ミュージカル「ロミオとジュリエット」の日本初上陸は、まさに衝撃でした。ドラマチックな楽曲と斬新な演出がもたらした新しい感動が、宝塚の名作シリーズに名を連ねる予感をくれたこと。そして肉食系男役・柚希さんが繊細で爽やかな青年を演じ、役の幅を大きく広げたこと。いくつもの大きな価値を生んだ作品だったといえるかもしれません。

 そんな初演の感動を、「星組のロミジュリ」を、ぜひ大劇場でも観たい―そんなファンの夢がついに実現です。

 オープニングは、クラシックな音色に乗せた英真なおきさんの穏やかなナレーションから。鶴美さん演じる「愛」(役替わり/礼)と、真風さん演じる「死」(役替わり/麻央侑希)が登場し、抒情的に舞い踊ります。2人の役はセリフも歌もなく、ダンスだけで場面の空気を変え、物語を引っ張る重要な役目を担っています。

 真風さんは初演に引き続き2度目の「死」役ですが、前回よりもはるかに存在感が増していることを感じました。衣装も豪華になり、シルバーのストレートロングヘアと死神メイクがトート閣下みたいでビジュアルも完璧。どこからともなくしのびより、不幸をもたらすべく人々を操る妖艶さにたびたび目を奪われ、真ん中でお芝居している人も観なきゃ、でも「死」も観たいしと、忙しくて困ってしまったほど。早くから男役の容姿が完成していて、抜擢の連続でしたが、ここにきて着実に力を固めてきました。

 対照的な「愛」役の鶴美さんは星組きってのダンサー。しなやかで美しい動きが「愛」の優しさをあたたかく伝えます。慈愛のこもった表情が加われば、さらに無敵ではないでしょうか。

 やがて2人の背後から不穏な気配が漂い始め、イタリア・ヴェローナへと舞台はうつります。そこは何代にも続くモンタギュー家とキャピュレット家の争いで、憎しみと暴力が渦巻く街―。心ざわめかせる音の波が怒涛の如く押し寄せ、オーケストラによるミュージカルの醍醐味を客席は洗礼のごとく浴びせられ、否応なしに胸の鼓動が高鳴ります。

 ―ベンヴォーリオとマーキューシオが先頭に立つモンタギュー一族と、ティボルトが率いるキャピュレット一族。ヴェローナ大公(十輝いりす)ですら治められない両家の確執は、彼ら若者たちをも巻き込んでいた。そんな中でも争いを好まず、理想を追い求めるモンタギュー卿の息子ロミオ。そして、キャピュレット卿の娘ジュリエット。彼らは別々の場所で、いつかきっと運命の恋人に出会えると信じ続けているのだった。

続きを読む

戻る

バックナンバー

宝塚歌劇一覧へ>> 舞台一般一覧へ>> 動画掲載記事一覧へ>> 過去記事一覧へ>>

過去記事一覧へ>>

ページトップへ戻る

Astandについて個人情報著作権利用規約特定商取引会社案内お問い合わせ