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特集(5)全身で熱唱、すべてが圧巻の柚希

2013年6月7日

写真:「ロミオとジュリエット」より「ロミオとジュリエット」より、ロミオ役の柚希礼音(写真右)と「死」役の真風涼帆(左)=撮影・岸隆子

 プレスギュルヴィック氏の楽曲はどれも素晴らしく、恐怖と絶望と甘さと夢を織り交ぜながら、物語をドラマチックに彩ります。ロミオとジュリエットが2人で歌う「エメ」では夢の世界へといざなわれ、群集のパワーを生かした「ヴェローナ」や「世界の王」に血湧き肉躍る。乳母がロミオに会いに行った際の「綺麗は汚い」では客席降りもあり、劇場が一体となって盛り上がります。ティボルトの「本当の俺じゃない」や、キャピュレット夫人とモンタギュー夫人の「憎しみ」など、登場人物の心情が豊かにつづられるソロも盛りだくさんです。

 そしてやっぱり「僕は怖い」が絶品でした。不安に駆りたてられる歌詞とメロディー、ロミオにまとわりつく真風さんの恐ろしくも美しい「死」。抗うように全身で熱唱する柚希さんは、すべてが圧巻で、息をするのも忘れてしまう。「ミュージカルって、本当に素晴らしい」「柚希さんって、本当にすごい」と、いつまでもいつまでも拍手を送りたくなりました。

 ロミオとジュリエットの純愛は、普遍のトキメキを持っています。許されないからこそ燃え上がる、世の恋心の原点がここにあるといえるでしょう。憎しみと暴力が吹き荒れる中、周囲の人間をも巻き込んでしまう悲劇の運命にさらされながらも、ひたすらに互いを求め合う2人のストーリーは、永遠に人々を惹きつけてやみません。

 時に古さを感じる部分があっても、こうして現代風にアレンジされることでまた、あらたな魅力を持った作品に生まれ変わりました。今後もいろんな生徒さんで上演され、引き継がれていくに違いありません。やっぱりミュージカルの名作はいいなあと改めて実感してしまいました。

 前回の公演から3年。中堅層の実力が上がってきたことで作品全体がレベルアップし、さらにフレッシュな若手が抜擢され、のびのび活躍していることも現在の星組の充実度を物語っているよう。

 「これが『ロミオとジュリエット』だ!」。そう全力で見せつけるような熱いパワーみなぎる星組生たちが頼もしく、初演の意地とプライドが伝わってくる公演でした。

◆「ロミオとジュリエット」
《宝塚大劇場公演》2013年5月31日(金)〜7月8日(月)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/330/index.shtml
《東京宝塚劇場公演》2013年7月26日(金)〜8月25日(日)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/331/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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