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特集(5)光るテンポの早さ、花組に層の厚み

2013年6月17日

写真:「フォーエバー・ガーシュイン ―五線譜に描く夢―」より「フォーエバー・ガーシュイン ―五線譜に描く夢―」より、ジョージ・ガーシュイン役の芹香斗亜=撮影・岸隆子

 明るく幸せだった頃から、徐々に転落していく人生。芹香さんはやるせなさと自分への憤りで苦悩する晩年が、意外にも若い時代よりはまっていたかもしれません。このような暗い影を表現するのは、男役としての魅力をより深めるもの。今回の役柄はいい経験となったに違いないでしょう。

 仙名さんの完成された娘役感は本当に素晴らしくて、これが初ヒロインとは思えないほどの安定感がありました。今度はぜひ、熟成された男役さんと組んだところを見てみたいものです。

 そんな充実した2人に加え、瀬戸さん、天真さん、柚香さん、水美さんら若手メンバーが生き生きと脇を固め、花組らしい華やかさとフレッシュさがいっぱいの舞台に、層の厚さもしっかりと感じられました。

 ショーシーンをふんだんに使い、テンポよく進んでいくので、ぐいぐい舞台に引き込まれていきますが、ただ、もう少し深い心理描写が欲しかったかも…。ジョージとケイの互いに対する気持ちがあっさりしていて、背徳の恋にもあまり罪悪感がないように見え、特に女性の心情として理解するのが難しい部分もありましたが、若い先生のがむしゃらさを感じる勢いで、今後に期待です。

 佇まいや歌、仕草や演技など、すべてが今、成長過程の真っただ中で、限りない可能性を感じさせる芹香さん。「オーシャンズ11」で「もしや来る?」と感じ、今回の舞台で「やっぱり納得」。

 期待通りの成長ぶりで、今後がますます楽しみになりました。

◆「フォーエバー・ガーシュイン ―五線譜に描く夢―」
《宝塚バウホール公演》2013年6月7日(金)〜6月17日(月)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/332/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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