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特集【インタビュー】前川清らと新歌舞伎座で共演へ
大和悠河、宝塚退団後の4年を語る

2013年6月21日

動画撮影・岸隆子、小林勝彦

 宝塚の男役トップスターとして一時代を築くも、退団後は華麗なる変身を遂げ、いまや当時の王子様ぶりを思い出させないほどの美人女優となった大和悠河。コンサートや舞台からテレビのMCやバラエティー番組まで幅広い活躍を続け、7月には前川清と共演する新歌舞伎座での公演も待っている。ますます充実する大和に、仕事からプライベートファッションまで、今の自分をじっくりと語ってもらった。インタビューを5つの動画に分けて掲載する。(フリーライター・さかせがわ猫丸)

 「華がある」という言葉は、まさに大和のために用意されたキーワードだ。自ら発光するかのような存在感は、男役から女優へと転身し、その色調を変えても輝きは褪せず、生まれながらの舞台人であることを物語る。

 インタビュー前日の6月1、2日は兵庫県立芸術文化センターで「綺譚 生田川〜能 求塚より」に主演。2人の男性から想われ、苦悩の末、川に身をなげるも、死してなお己の罪に苦悩する菟原処女(うないおとめ)を妖艶に演じた。「和の幻想的な世界を演じた気持ちよさが、まだ残っています」と、余韻をかみしめながら、大和のインタビューは始まった。

 和物から洋物まで幅広く舞台に立ち、東山紀之、GACKTなど、そうそうたる顔ぶれとも共演を重ねてきた。「あらゆるジャンルに挑戦するたび、新しい自分を発見し、それによって成長できるし、もっといろんなものに挑戦したくなります。自分でしか演じられないものに仕上げたくて、内面をのぞきながら役を作る。演技する楽しさを感じていますね」と瞳を輝かせ、充実した日々が伝わってくる。

 そんな大和を魅了し続けている、もう1つのキーワードが「オペラ」だ。退団後、海外へ旅行した際に本場のオペラに触れ、あっという間に虜になった。過激なストーリーと、激しい感情を歌にのせる素晴らしさを海外で実感して自分でも演じてみたくなり、本場イタリアでレッスンを受けるなど、その熱意は本格的だ。

 毎回テーマを決め、ドラマチックに構成される「YUGA OPERA CAHIER」(オペラ カイエ)のシリーズも5回を数える。「オペラはとっつきにくくても、一度入ると素晴らしさがわかるので、少しずつみなさんにもご紹介したくて定期的に続けています。最近ではお客様から『早く次の公演を』と、言ってもらえるようになりました」。次は何をしようか、絶えず頭の中で考えるのも楽しみだという大和。この公演がライフワークとなるのかもしれない。

 宝塚の男役は、退団後ほとんどの人が「男役の衣」をゆっくりと探るように脱いでいくのに対し、一瞬でイメージを180度変え、周囲をあっと驚かせた。スーツの奥に隠されていた抜群のプロポーションを生かすボディコンシャスなワンピースに、ふわふわのロングヘア、甘いメイクに小物。昨日までのキザなナイスガイが一転、キュートなレディに。

 そのファッションセンスを生かして、「大和悠河のパリおしゃれノート」や「大和悠河のオペラとお菓子の旅〜愛のヒロインを生きて〜」など、女子力満載の著書も出版した。「男役の時代は雑誌を開いても、女性のファッションなんて眼中になかったんです。でも退団して、『こんなに可愛いものがある!』と気づいてからは、楽しくてしょうがない。反動かな?(笑)」と、声を弾ませた。

 それでもいまだにパンツスタイルになると、仕草が無意識に男っぽくなってしまうという。どうやら服装がスイッチになっているらしい。「だからいつもスカートをはいてなきゃ」と笑う姿はどこからみても完璧にレディだが、芯に通る男前さがかいま見える、やっぱり「ハンサムウーマン」だ。

 まもなく新歌舞伎座で、「七月特別企画公演」に出演する。第1部は「東海道凸凹(でこぼこ)珍道中」、マリリン・モンローの「お熱いのがお好き」を題材にした痛快時代劇コメディーで、座長の前川とのラブロマンスもあるとか。第2部は「前川清オンステージ ザッツ・エンターテイメント!!」。歌あり、踊りあり、爆笑トークありのスペシャルステージで、これまでとは趣が違った舞台が繰り広げられる。先日、初めて新歌舞伎座を訪れて、劇場の空気にも触れ、準備は万端。「コメディーは難しいですが、前川さんと左とん平さんの中にぐいぐい入っていきます」と力強く語り、また新しい大和悠河が発見できそうだ。

 9月には、少女たちを中心に大ヒットしたコミック、「美少女戦士セーラームーン」のミュージカルへの出演も発表になった。役柄はなんと、セーラー戦士たちを助ける「タキシード仮面」。こちらも「宝塚で培った男役の魅力で、宝塚時代以上にカッコよくなると思いますよ」と満面の笑顔で語った。セーラー戦士の役も観たかったですが…と言うと、「私もやりたかった! じゃあ役替わりで(笑)」と、即答。枠にとらわれず、自分らしく、いろんなもので表現していきたいという勢いが伝わってきた。

 これからも、どんな役であっと言わせてくれるのか、ますます楽しみになった。

〈大和悠河さんのプロフィール〉
1995年、宝塚歌劇団に入団。天性の華やかさと恵まれた容姿で早くから抜擢。「ウエストサイドストーリー」のトニーをはじめ新人公演主演6回、バウホール主演最年少公演記録を更新。宙組男役トップスターとして活躍、2009年7月、惜しまれつつ退団。2010年、ブロードウェイミュージカル「CURTAINS」のヒロインで女優デビュー。「戲伝写楽」の東洲斎写楽(おせい)役で初主演、「まさかのChange?!」と主演作品が続き、作品ごとに新たな魅力を発揮した。コンサートでは、様々なジャンルのポップスやイタリア仕込みのオペラのアリアを披露し、エンターテイナーぶりをアピール。2011年2月、朗読劇「ラヴ・レターズ」400回記念公演に出演。4月、歌舞劇「綺譚桜姫」に主演。6月、ミュージカル「風を結んで」に出演。8〜9月にミュージカルショー「100年の I love you」に主演。10〜11月、「DREAM FOREVER〜宝塚OGレビューツアー2011〜」に出演。7月より「YUGA OPERA CAHIER」(オペラ カイエ)を定期的に開催。2012年「GULF」(東京)に主演。3月、ブロードウェイミュージカル「MY ONE AND ONLY」に出演。5月「土御門大路〜安倍晴明と貴船の女」に主演。7〜10月、「MOON SAGA」にヒロイン巴役で出演。10〜11月、「薔薇降る夜に蒼き雨降る」に主演。12月、ブロードウェイミュージカル「プロミセス・プロミセス」に主演。2013年4〜5月「DREAM LADIES」のメインキャスト、5月、朗読劇「レディー・マドンナ」に出演。6月、音楽劇「綺譚 生田川〜能 求塚より」に主演。
2010年、「大和悠河のパリおしゃれノート」を朝日新聞出版より出版。2011年6月、「大和悠河のオペラとお菓子の旅〜愛のヒロインを生きて〜」を中央公論新社より出版。

【写真】大和悠河=撮影・小林勝彦

◆音楽劇「綺譚 生田川 〜能 求塚より」
《兵庫公演》2013年6月1日(土)〜2日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
※公演は終了しています

◆新歌舞伎座「七月特別企画公演」
《大阪公演》2013年7月8日(月)〜25日(木) 新歌舞伎座
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20130708.html

◆「美少女戦士セーラームーン」
《東京公演》2013年9月13日(金)〜23日(月・祝) AiiA Theater Tokyo
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://sailormoon.channel.or.jp/musical/index.html

(関連リンク:大和悠河オフィシャルサイト)
http://yuga-yamato.jp/

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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