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特集(2)出会いや別れには全て意味がある

2013年6月27日

写真:石丸幹二撮影・小林勝彦

――ご自身の実体験をもとにした歌を、アルバムの2番目に持ってこられた理由は何でしょうか?

 僕は今、40代後半ですが、この年になってくると、愛というものの、いろんな形が見えてくるんですね。大人になった自分から見たラブソングというのは、やっぱり、惚れた腫れたではないと思います。

――惚れた腫れたではない…。

 惚れた腫れたの愛も大事ですよね。あの人が好きだとか、彼女を獲得したいとか、一緒になりたいというのも愛です。そういう愛も経て、見守るのが大人の愛。

 ですので、アルバムの1曲目は見送る人に対する愛、自分の元から巣立っていく者に向ける愛ですね。それがもしかして愛している人だったり、別れたあとにその彼女を見送る愛だったりもしますが、それも愛なんだと。

 僕は40歳を越えて、愛って実はそういうことだらけだと思ったんですよ。出会ったこと、新鮮なことより、過ぎていったことがたくさんありますので。だからこそ、大人が出すラブソングとはこういうものなんだと。このアルバムは、そういう愛の歌のオンパレードなんですよ。

――曲目を見ると、確かにオンパレードですね。

 最後の「時が来た」は、舞台「ジキル&ハイド」の中では、病気になった父を救おうという、親に対する愛ですよね。扉を一つ開けて、新しい自分に挑戦していくんだと。次の扉を開けるという、これも一つの愛の形です。大人になった人たちがぐっとくるような曲を集める形のアルバムになりました。

――「シェルブールの雨傘」も、ですね。

 そうですね。あの物語では、恋人同士だった2人にはいろんなことがあって、結局、最後、ガソリンスタンドで会ってしまう。でもそれは、過去の幸せを呼び戻すための出来事だったんですよね。ですので、一つ一つの出会いや別れは、全て意味があって大事だということをお伝えしたいです。

 もし若い人たちがこのアルバムを聴いたときには、そこまではまだ見えないかもしれませんが、こういう風に人を見守るとか、許すとか、自分もそこから学ぶとか、そういうことも愛だと思ってもらえれば。そして何年か後に、また聴いてよとお伝えしたいですね。時を経てまた聴くと、きっとあなたはその間の経験によって、曲の解釈も変わるよ、と。

――「翼を拡げて」の歌詞にあるように、「口づけやささやきで心を縛る愛」ではなく、相手の幸せを考え、見守っていくような感じでしょうか。

 そういう風に自分に言い聞かせてますね(笑)。

――言い聞かせる、ですか(笑)。

 自分でそう言い聞かせて、引く準備をする。彼女が別れるという時に、自分の中で落としどころを見つけて、俺はこれだけ心の準備ができているから、行っていいんだよと言いながら、後ろでクーっとなっているような(笑)。

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