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特集(3)感情の盛り上がりを村井メロディが押し上げる

2013年7月1日

写真:音楽劇 アルセーヌ・ルパン「カリオストロ伯爵夫人」制作発表会見・プレイベントより音楽劇 アルセーヌ・ルパン「カリオストロ伯爵夫人」制作発表会見・プレイベントより=撮影・伊藤華織

 音楽については、なぜこういう音楽を使うのかという村井先生のお言葉を河内が読ませていただきましたので省略します。お手元に、楽曲リストがあると思います。当日はみなさんにお配りするのですが、今日いち早くみなさまにこういう曲をやるのよとお話ししたくて刷ってもらいました。一幕で5曲、二幕で5曲あります。早速1曲目が「オーヴァーチュア」で、ミュージカルみたいとゾクゾクしたのですが、これはメインテーマになります。メインテーマをまずピアノソロで弾きます。続いて「クラリス」は今お話しした清純なイメージ、教会音楽の旋律をメインに作ってくださっている、心洗われる音楽です。ただハッピーなだけではなくて、そこでも白と黒の世界はあって、クラリスは幸せなんだけれども、どこかさみしさを感じている。それはラウールが100%自分のことを見ていないということなんです。

 「男達とカリオストロ伯爵夫人の応酬」はカリオストロひとりで、男たちと闘います。グリークラブのような太い声が聴こえてきまして、カリオストロが「私は悪くない、私は悪くない」、男たちが「お前が悪い、お前が悪い」とやりあう歌です。ここにカリオストロ伯爵夫人の基調となるテーマがあります。彼女は愛を求めているゆえに愛を拒否するんですね。愛の中に自分がただよってしまうと自分が強く生きていけないから。そういう悲しい運命を持っているものですから、愛を拒否しようとするんです。だけれども、ラウールにだんだんはまり込んでいくんですね。その最初の闘いの歌です。

 「隠された秘宝」は秘宝にまつわる物語を全部歌と無言劇で仕立てました。変化があって面白いです。男たちが歌って、物語が展開していきます。(一幕の最後の曲)「三重奏」は難しくて大変です。クラリスの思い、カリオストロ伯爵夫人の思い、間に立っているラウールの思いが三つ巴になって響き渡って、二幕を待っててね!という感じで終わります。稽古をして、聴き応えがあるように作っていきたいと思います。

 (二幕の最初の曲)「クラリス」はバイオリンのインストルメンタルでお届けし、ピアノもバイオリンもパーカッションも凄く素敵な演奏家たちが揃ってくださっているので、凄くいい気持ちで二幕に入っていただけます。クラリスはしばらく出てこないので、ここで1回思い出してねという気持ちも入っています。「恋人達の悲痛な歓び」は、悲痛な歓びってどんなものなんだと言われても困るんですけれども、これも難曲でして、カリオストロ役の関戸、青木、ラウール役の岩崎、松本、あと「X」が初挑戦します。まるで、台詞がメロディに乗るというかなり難しい歌です。感情がガンガンガンガン上がっていくところを村井メロディが押し上げてくれるんです。そこに乗っかって炸裂できるように一所懸命稽古しています。

 「七つの星の秘密」は眠り続けた秘宝が「ラウール、君が来るのを待っているよ」と言っているようなイメージで、とてもやさしいメロディの可愛らしい曲です。続く「俺には出来ない、まっとうな人生」はかなりショーアップされた歌です。明と暗でいうなら、明の部分です。ラウールは人様のポケットで生きていくので、後ろめたさを持っているんですね。でも、その後ろめたい部分を隠して、もう片方の開き直りの部分で「泥棒になることは悪い人生だというけれども、どうしようもないんだ。こういう人生しか生きられない」ということを明るく歌います。

 メインテーマの「アルセーヌ・ルパン」は、彼の人生の白と黒の間、カリオストロとクラリスの間でもあるし、自分の中の清と濁でもあるし、いろいろな意味で生を彷徨っている彼が、心の中になかなか埋まらないものがあるけれども生き続けなければならない、前へ一歩踏み出していかなければならない、人生とは切なく大変なものだという歌です。クラリスの清純な教会音楽の音階をテーマにしたものと、カリオストロのアグレッシブなおどろおどろしい音楽が全体の基調をなしていて、そのミックスアップされたところにこのメインテーマがあるので、村井先生の作ってくださった音楽と音構成も楽しんでいただけたらと思います。

 今日は最後のショータイムで、tekkanさんに「クラリス」とメインテーマを歌っていただきます。どうか絶対にお帰りにならないでください。村井先生がはりきってくださって、CD作りましょうとおっしゃってくださって。まだ歌の稽古がついていないので、インストルメンタルなんですね。でも、凄いです。ロサンゼルスで外人ばかりで作っています。編成が変わって、ピアノとバイオリンと、パーカッションの代わりにチェロが入っています。パーカッションは本番までのお楽しみということで。前半は楽曲を楽しんでいただいて、後半はなんとカラオケです。カラオケは万国共通で、ロサンゼルスのスタッフも「カラオケ」といったらすぐ「OK」と言ってくれたそうです。

 ロックとはお付き合いが何度かありましたが、クラシックは初めてなので、ドキドキしております。宇野先生の美術といい、村井先生の音楽といい、素敵な素材は揃っているので、あとは本当に芝居の中身を詰めるだけとなっています。日々稽古に励んでおります。ただ、フランス人はおしゃべりなので、台詞の量にアップアップしておりますが、よい初日を迎えられるようにがんばりたいと思います。7月4日の初日でなくとも、21日まで上演しておりますので、お目にかかれることを楽しみにしております。長々とありがとうございました。

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