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特集【公演評】「ウィーン・ミュージカル・コンサート2」
ウィーンミュージカルの真髄を味わえる歌の祭典

2013年7月16日
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 2008年に大阪のみで上演され大好評を博した「ウィーン・ミュージカル・コンサート」。その第2弾が、5年の時を経て東京・大阪の2都市での上演が実現。今回は、7月6日にBunkamuraオーチャードホールにて行われた公演の模様をお届けする。(フリーライター・岩橋朝美)

 ウィーンのみならずヨーロッパのミュージカル界で広く活躍するミュージカルスター6名とアンサンブルメンバー6名が、本場の衣装を着用して、ウィーンミュージカルの楽曲を歌い紡ぎ、華麗なダンスを披露。コンサートというよりもショーというにふさわしい贅沢な舞台だ。また、この日は韓国版の「エリザベート」「レベッカ」などで高い評価を受ける女優オク・ジュヒョンもスペシャルゲストで参加し、見事な歌唱で華を添えた。(注:オク・ジュヒョンの東急シアターオーブ公演の出演はありません)

 第1部は「ダンス オブ ヴァンパイア」「ルドルフ」「モーツァルト!」から代表曲が披露された。「ダンス オブ ヴァンパイア」で圧倒的な存在感を放ったのは、2000年のドイツ初演よりクロロック伯爵を演じるケヴィン・タート。アンネミーケ・ファン・ダム扮するサラとのデュエット「愛のデュエット」では妖しさと色気たっぷりに、クロロック伯爵のソロナンバー「抑えがたい欲望」では、ヴァンパイアゆえに愛するものに死を与えてしまう苦悩と満たされることのない飢えを厚みのある低音でエモーショナルに歌い上げた。

 「ルドルフ」では、ルカス・ペルマンとアンネミーケが、ルドルフとマリーが身分を超えて惹かれあう瞬間を歌う「それ以上の……」が聴きどころ。二度にわたる日本招致公演「エリザベート」でルドルフを演じ、日本でも高い人気を誇るルカスと、ウィーンの新生エリザベートとして活躍中のアンネミーケは、9月より再開されるウィーン版「エリザベート」でルドルフとエリザベートとして共演する。旬のふたりによるデュエットは、互いに透明感があり高音域が広い声の相性がよく、うっとりとさせられた。

 そして、一幕のメインプログラム「モーツァルト!」ではウィーン版の初演でタイトルロールを演じたイングヴェ・ガーソイ・ロムダールが登場。野性的な風貌に自由奔放な仕草、茶目っ気がありつつ、どこか悲しみをたたえた表情が、まさに同作で描かれるヴォルフガングそのもの。独特の味のある低音ボイスが光るソロナンバー「僕こそ音楽(ミュージック)」「何故愛せないの?」はもちろん、現ウィーン版「エリザベート」でトートを務めるマーク・ザイベルト扮するコロレド大司教との掛け合いが楽しめる「何処だ、モーツァルト!」、オールキャストによる「影を逃れて」まで、1本の舞台を見たような満足感だ。

 また、前回のウィーン公演や日本招致公演でエリザベート役を務め、日本でも絶大な人気を誇るマヤ・ハクフォートによる「星から降る金」は彼女の珠玉の歌声が会場の隅々まで響き渡り、ショーストッパーの面目躍如。彼女自身は「モーツァルト!」への出演経験はないが、元々はキャスティング予定で、この曲は彼女のために作られたというエピソードも披露された。その幻の歌声をこの日本で聴けるとはラッキーというしかない。

 第2部は「ロミオ&ジュリエット」「レベッカ」「エリザベート」からの楽曲が披露された。「ロミオ&ジュリエット」からは、本作のティボルト役で人気スターとなったマークと、同じくロミオ役で人気を博したルカスが登場。マークが持ち前の甘い声で歌い上げるティボルトのソロナンバー「本当の俺じゃない」に続き、ルカスとアンサンブルを交えてのロックナンバー「世界の王」。舞台ではロミオが仲間と歌うナンバーを、敵役のティボルトと歌うというコンサートならではの趣向が楽しめる。また、マークとルカスが客席へ降りる演出で、会場はより一層盛り上がった。

 続く「レベッカ」は、マヤとジュヒョンによる、それぞれに魅力的なダンヴァース夫人のソロナンバーに酔いしれた。とくに、マヤの「何者にも負けない」の後を受けて一歩も引かないジュヒョンによる「レベッカ」が圧巻。地声の強さと、ダンヴァース夫人の狂信的な性格を伝えるヴィブラートが素晴らしい。

 そして、トリを飾るのは本コンサートのメインプログラムである「エリザベート」。アンネミーケ、マヤ、ジュヒョンの3人のエリザベートと、マーク扮するトートが登場。アンネミーケとマークの「愛と死の輪舞(ロンド)」「私が踊る時」は現ウィーン版コンビの妙を味わえるが、ウィーンで見た本編に比べるとややパフォーマンスがおとなしめ。コンサートということで難しいのかもしれないが、「最後のダンス」も含め、もっと激しくてもよいのではと思った。とはいえ、美男美女によるデュエットは、目でも耳でもしっかり堪能できる。

 ルカスとマークによる「闇が広がる」は、互いに甘いながらも、よりマイルドなルカスの声とマークのハイトーンボイスがそれぞれ生き、聴きごたえあり。線の細いルカスルドルフとギリシャ彫刻のように屈強なマークトートとのバランスもいい。ほかにも、マヤとケヴィンの大人の魅力たっぷりの「夜のボート」、ジュヒョンによる「私だけに」も聴きどころだ。

 以上の本編に加えて、日替わりのアフターボーナスショーが付く。「レ・ミゼラブル」ほか、ロンドンミュージカルやブロードウェイ作品の楽曲が披露されるなど、スターたちの新たな一面も楽しめる大満足のコンサートだ。

【写真】「ウィーン・ミュージカル・コンサート2」公演より=写真提供:梅田芸術劇場

【フォトギャラリーはこちら】

【マーク・ザイベルトさんインタビュー動画はこちら】

◆「WIEN MUSICAL CONCERT II」
《東京公演》2013年7月5日(金)〜6日(土) Bunkamuraオーチャードホール
《大阪公演》2013年7月11日(木)〜15日(月) 梅田芸術劇場メインホール
《東京公演》2013年7月20日(土)〜22日(月) 東急シアターオーブ
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.umegei.com/wmc2013/

《筆者プロフィール》岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター。WEBおよび出版を中心に、企画、編集、取材、執筆を行う。エンタテインメント、女性、仕事など、幅広いテーマで活動。

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