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特集【公演評】宝塚月組「ルパン」
新しい魅力が開花、クールな龍としとやかな愛希

2013年7月25日

 宝塚月組公演、ミュージカル「ルパン ―ARSENE LUPIN―」が、7月12日、宝塚大劇場で初日を迎えました。世界的に有名な小説「アルセーヌ・ルパン・シリーズ」の作家モーリス・ルブラン没後70年の昨年、発見された「ルパン、最後の恋」をいちはやくミュージカル化。この話題作に、龍真咲と愛希れいかの月組トップコンビが挑戦します。トップ就任後、大劇場では初の芝居とショーの2本立となることも注目の公演です。(フリーライター・さかせがわ猫丸)

 若さがキラキラ弾け、キュートな魅力いっぱいの龍さんが挑むのは、クールな怪盗紳士アルセーヌ・ラウール・ルパン。愛希さんもしとやかな令嬢カーラ・ド・レルヌをごく自然に演じ、目に見える成長ぶりがまぶしいほど。先日までの「ME AND MY GIRL」で、下町の元気な青年と女の子を演じていたとはとても思えません。今作品で2人は新しい魅力を開花させたといえるでしょう。

 稀代の怪盗ルパンが、「これが最後の事件だ」と、彼の伝記を手掛ける作家モーリス・ルブランに語るところから始まる物語は…謎の自殺を遂げたレルヌ大公の娘カーラ(愛希)に届けられるはずだった400万ポンド。だがその大金は、死んだとされていたルパンから強奪を予告する挑戦状が届き、実際に奪い去られてしまった。身に覚えのない罪を着せられたルパンは、怪盗紳士としての名誉を守るため、自分を陥れた者の正体を暴こうと動きだす――。

 ルブラン役には、専科の北翔海莉さん。歌にダンスにお芝居に、確かな実力で組全体を引き上げています。異動によりこの公演が月組での初大劇場公演となる、沙央くらまさんと凪七瑠海さんは、物語における黒い部分を担っていて、新境地を開拓。美弥るりかさんは誠実な英国紳士に、星条海斗さんはちょっとおかしな警部にと、それぞれ個性豊かな役柄にチャレンジしています。

 誰がルパンを陥れようとしているのか、そしてその犯人の目的は…。自らの死を偽装し、静かに生きてきた怪盗ルパンが、何者かの陰謀により再び蘇ります。けれど、ただ事件を解決するだけではなく、彼にとってさらに人生を大きく揺るがす結果も待っていました。これまで「負けたことがない」ルパンが、初めて敗北を認める瞬間…それは、何に対してだったのでしょうか。

 「Fantastic Energy!」は、たたみかけるようにダイナミックなシーンが連続する、月組のエネルギーあふれるショー。華やかさと表現力豊かな歌唱力を持つ龍さんと、「男前」な娘役ダンサー、愛希さんのコンビを中心に、最下級生に至るまで全員が体力の限界に挑戦するかのように踊り、歌い、観客にも息つくすきさえ与えません。名曲「オリーブの首飾り」を使った黒燕尾も印象深く、今の季節にふさわしい、熱い熱い公演となりました。

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【写真】「ルパン ―ARSENE LUPIN―」より、アルセーヌ・ラウール・ルパン役の龍真咲=撮影・岸隆子

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◆「ルパン ―ARSENE LUPIN―」
《宝塚大劇場公演》2013年7月12日(金)〜8月12日(月)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/334/index.shtml
《東京宝塚劇場公演》2013年8月30日(金)〜10月6日(日)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/335/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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