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特集(4)星条のコメディセンス

2013年7月25日

写真:「ルパン ―ARSENE LUPIN―」より「ルパン ―ARSENE LUPIN―」より、ジュスタン・ガニマール役の星条海斗(写真右)とフラヴィ役の憧花ゆりの(左)=撮影・岸隆子

 雇われて金貨を盗み出した綾月さん、光月さん、紫門さんのトリオは、乱暴者を装いながらもどこかヘナチョコで、時折笑いを誘っていました。

 宇月さん演じるオックスフォード公は気が弱くて頼りない、でも人の良さにあふれた、思わずいとおしくなってしまう人物。このタイプの役を巧みに演じることができて、ショーで踊る場面になれば、ダンスリーダーとしてバリバリみんなを率いていく宇月さんは、かつての桐生園加さんのようなタイプでしょうか。年を重ねることでますます活躍が楽しみな男役さんです。

 珠城さんと咲妃さんはルパンを慕う子分のような存在。最近、急上昇で力をつけてきているこの2人は、新人公演の主演にも選ばれています。

 沙央さん演じるカーベットは長めの黒髪が新鮮で、曲者風味ぷんぷんのインパクトが強い役。オックスフォード公の信頼を得ながら、野望とカーラの両方を手に入れようと画策しますが、沙央さんにこのような黒い役は珍しく、観たことがない一面にドキッとさせられました。

 ルパンは、スラムに住む人々の生活を良くしようと、彼らの生活にも入り込んでいました。劇中では、予備役大尉らしい姿でみんなの前に現れますが、黒い軍服に黒い手袋が色気たっぷり。今回は変装のないルパンではありますが、細かいところでいくつもの顔を見せてくれているようです。

 ほかにも、個性的なメンバーが随所で活躍しています。ルパンを追うジュスタン・ガニマール警部(星条海斗)と予審判事のフラヴィ(憧花ゆりの)は、今回、最も笑いを誘う2人。ガニマールは目の前に次々と現れる意外な事態に、なぜか全身で悶絶しながらいちいち悩むのですが、それに男らしい口調のフラヴィが鋭く容赦なく突っ込んでいく絶妙のコンビネーションが、何度も客席の爆笑をつかんでいました。星条さんのコメディセンスは「ME AND MY GIRL」のパーチェスターでお墨付きですが、エキゾチックなイケメンとのギャップは何度見てもたまりません。

 ルパンの乳母ビクトワールには専科の飛鳥裕さん、ふだんは男役です。これまでとはかなりイメージが違っていて、予想以上に魅力的な女役だったことに驚きました。ルパンに対しては厳しく、でも奥に秘めた優しさと懐の大きさを感じさせます。そしてその亭主ヘリンボーンに、この公演で退団する組長の越乃リュウさん。爆発させたようなヘアスタイルの、若々しい発明家(?)を演じています。いつも個性あふれる舞台を楽しませてくれていただけに退団は残念ですが、後任組長は、今回の妻役の飛鳥さんがつとめることとなりました。新旧交代となる夫婦にもぜひご注目ください。

 カーラがルパンの弱点だと知り、揺さぶりをかけてくる犯人。ルパンをおびき出そうとする目的は何なのか。そして真の黒幕は誰なのか…。

 ルパンにこれまでも思いを寄せていたカーラは、数々の危機から守られることでますますその気持ちが高まっていきます。ルパンとてそれは同じ。でも彼には、その愛をどうしても受け入れることができません。自ら封印した怪盗ルパンは、思いもよらぬ事件をきっかけに、再び蘇らせてしまいました。そして、彼が封印したもう一つの扉、それは「恋」。カーラはその鍵を解くことができるのでしょうか。

 今回はルパンを演じることで男らしさがぐっと増した龍さん。得意の歌もふんだんに披露し、新たな魅力を開花させています。成長著しい愛希さんとともに、トップコンビの充実がまぶしい公演となりました。

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