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特集(4)蒼羽、気持ちいいほどの悪者

2013年8月1日

写真:「the WILD Meets the WILD」より「the WILD Meets the WILD」より、ギルバート・コーエン役の蒼羽りく=撮影・岸隆子

 ――10年ぶりに再会したジェレミーとベンジャミン。だがベンジャミンは荒れ、街もギルバート市長(蒼羽)に鉱山を閉鎖されたことによって、すっかり荒廃していた。「俺たちの居場所を失くさせ、のさばっている奴らに復讐してやる」というベンジャミンの怒りは、もはや生きるエネルギーにさえなり、街の保安官となったジェレミーとは対立する関係となってしまう。そんな中、駅馬車を襲撃するなど犯罪行為がエスカレートするベンジャミンに、仲間の1人であるレナード・タトル(星吹彩翔)は次第に反発を強めていた。ギルバート市長はそんなレナードを操り、ある罠を仕掛けようとするのだが…。

 血気盛んなベンジャミンは、絶えず怒りに包まれながら暮らし、ジェレミーに対しても敵意をむき出しにしています。恋人マティルダ・ヒューイット(愛花ちさき)を愛し、病気の妹を助けたいとの思いも強く、揺らぐことはありません。愛する者たちを守ろうとするがゆえの暴走は激しくも切なく、対立する権力側の人間らとバチバチやりあいながらも、彼の切実な思いが伝わってくるよう。

 星吹さん演じるレナードは、ベンジャミンの妹を愛し、助けたい一心で、裏切り行為に走ってしまいます。モンチッチに似ていることから「モンチ」という愛称がついたというキュートなルックスと、高くて味のある歌声が印象的で、熱い演技が胸に迫ってきました。

 ギルバート市長を演じる蒼羽さんは、いかにも悪どい政治家を嫌味たっぷりに演じていて、なかなかの役者ぶり。父親を「パパ、パパ」と崇拝し、言いなりにもなっていて、とことん悪者に徹しているのが気持ちいいほどです。

 そして、そのギルバート市長の父であるグレゴリー神父こそが、カギとなる人物でした。身寄りを失くし、肩身の狭い貧しい暮らしを送っていたジェレミーの知性を見出し、街を出て教育を受けるようサポートしてくれた、慈愛あふれる人物のはずだったのに…このあたりの人間関係が、物語を深く掘り下げて行き、濃密なストーリーへと仕上げていきます。

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