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特集(4)浦井ベンヴォーリオが鮮明過ぎて

2013年8月2日

写真:平方元基撮影・岩村美佳

――いろんな作品を経験されて、「ロミオ&ジュリエット」の再演に挑まれるわけですが、今回はまさかのベンヴォーリオ役。決まった経緯を教えてください。

 再演する話があるのはなんとなく知っていましたが、役が変わるとはまったく思っていなかったんです。ティボルトはミュージカルで初めてやらせてもらった大事な役なので、またレッスンを積んで成長したティボルトを観て頂きたいと思っていたんです。「エリザベート」の大阪公演の千秋楽に小池先生が楽屋に来られて「ベンヴォーリオも考えてみてくれないか?」とおっしゃって。

 「あ、小池先生の頭の中ではそういうことなのか……」と思いました。でも、やるとなれば、その歌を楽しんで歌いきってやる!と、とりあえずオーディションまでに、ティボルトの歌もベンヴォーリオの歌も覚えていったんです。結局歌ったのはベンヴォーリオの曲だけだったので、審査員のみなさんは完全にベンヴォーリオ役として見ているんだなと理解して歌いました。その後で、だんだんキャストがわかってくると「ティボルト役はもうないんだ」と思って凄く寂しい気持ちになりました。初演はいろんなことを学んで、悔しい思いもしたし、楽しい経験もしたし、とにかくいろんな思いが詰まり過ぎた最初の現場だったので、ティボルトじゃないことに凄く違和感がありました。

――最初は、演じることに違和感があったティボルトなのに。

 そう。だけど、それにこだわっていても前には進めないので。でも、いろんな気持ちを抱えているということは、ベンヴォーリオにも通じることだと僕は思うんですよ。だから、そこは役に生かして、「ロミオ&ジュリエット」の再演バージョンに向けて取り組んでいきたいです。ベンヴォーリオは掴みどころがない役じゃないですか。ロミオやマーキューシオやティボルトのようにはっきりしていない。ストーリーをつなぐ要素としては、最後のあの歌(「どうやって伝えよう」)でどんっとベンヴォーリオの意味を成すとは思うんですけれども、それまでは掴んでも指の間をすり抜けてしまうような役だなと台本を読んでいて思っています。その分、演じる人によって全然違うベンヴォーリオになるような役なんだなと。

――初演の浦井(健治)さんのベンヴォーリオのほかに、フランス版など他作品のベンヴォーリオを見ていますか?

 ヨーロッパで上演されたものはほとんど見ましたし、宝塚版も見ました。それぞれ全然違うベンヴォーリオだったので、自分にとっては挑戦だなと思います。ベンヴォーリオは1シーンの中で自分ひとりでいることがほとんどないので、仲間とともにそこにいる理由がちゃんとお客様に伝わらないといけないなと思います。別にベンヴォーリオじゃなくてもよかったよと言われたらちょっと寂しい。浦井さんのベンヴォーリオが鮮明に残り過ぎているので、参考にしつつ新しい平方元基のベンヴォーリオで健ちゃんにもビックリしてもらいたいなと思います。「エリザベート」の時も観に来てくれたんです。大切な先輩なので、うれしかったです。

――浦井さんからは何か感想をいただきましたか?

 その後、焼き肉を食べに行って、たくさん話してくれたんですよ。「凄くよかったよ」と言ってくれたんですが、専門的な話をいっぱいされたので……「ちょっと、肉食べていいですかね?」と言っちゃいました(笑)。凄く可愛がってくれるんですよ。大好きな先輩です。

――ベンヴォーリオは仲間と一緒のシーンが多くて、歌も「どうやって伝えよう」などの泣かせるナンバーもあれば、「世界の王」などみんなで歌うロックナンバーもあって、ティボルトの時とはだいぶ歌の面でも違いますよね。

 明るい曲が多いですね。あと、キーがとても高い。そこが凄く楽しみで、挑戦を生かせるところだと思っています。声は枯れちゃいけないので、一所懸命モチベーションを保って、テンションの高いナンバーにしていけたらいいなと思っています。

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