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特集【公演評】ミュージカル「ドリームガールズ」
絶唱・ダンス・ゴージャス…「王道の」カタルシス、存分に

2013年8月9日
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 1981年にブロードウェイで初上演され、2006年にはビヨンセらが出演し映画化され大ヒット。同映画版でエフィー役を演じたジェニファー・ハドソンがアカデミー賞助演女優賞に輝いたことでも有名なミュージカル「ドリームガールズ」が、東京・東急シアターオーブにて上演中、続いて大阪・フェスティバルホールにて上演される。(フリーライター・岩橋朝美)

 62年のNY。スター歌手になることを夢見るディーナ、エフィー、ローレルの3人組は、オーディション会場で知り合ったカーティスの助言によって、人気歌手ジミー・アーリーのバックコーラスを務めることに。やがて、彼女たちは、敏腕マネージャーとして頭角を現すカーティスのプロデュースで「ザ・ドリームズ」としてデビューを果たすが、リードヴォーカルを歌唱力抜群のエフィーからルックス抜群のディーナに変更を余儀なくされ、グループ内に亀裂が走る。

 60〜70年代前半の音楽業界を舞台にした女性グループのサクセスストーリーを軸に、メンバーの恋や友情、挫折や葛藤をヴィヴィッドに活写した青春物語「ドリームガールズ」は、当時の息吹を感じるR&Bやソウルミュージックに代表されるブラック・ミュージックがなんといっても聴きどころ。

 エフィーのパワフルなリードヴォーカルでたたみかけるノリのよいナンバー「Move(You’re Steppin’on My Heart)」、スウィートな歌声と可愛らしい振り付けのダンスに見とれる「Dreamgirls」など主人公3人によるキュートなガールズポップに加えて、ジェームズ・ブラウンをイメージさせるジミーのソウルフルなナンバーとパフォーマンスには、見ているこちらも思わず肩や腰が動き出してしまう。

 そうした当時のヒット曲をほうふつさせる楽曲に加えて、主人公たちの揺れる心情をストレートに歌い上げる抒情的なナンバーも用意されており、王道ミュージカルのカタルシスが存分に味わえる。なかでも一幕ラスト、リードヴォーカルの座と恋人カーティスの愛を同時に失ったエフィーが歌う「And I Am Telling You I’m Not Going」は5分にわたって絶唱が続くビッグソロナンバーで、プライドをかなぐり捨てて「私をひとりにしないで」と歌う彼女の魂の慟哭に激しく心をゆさぶられた。

 ほかにも、物悲しいバラードと、激しいダンスナンバーのふたつのアレンジとパフォーマンスで魅せる「One Night Only」など、「サイド・ショウ」などでも知られる作曲家ヘンリー・クリーガーの手による緩急自在の楽曲は一聴の価値ありだ。

 また、62年から75年の時代変遷をテンポよく見せきるスピーディな演出も見事で、映像を効果的に使用し、セットチェンジをせずに舞台裏とステージを切り替えるなど、観客を飽きさせない洗練された舞台美術も見どころだ。当時のファッショントレンドが垣間見えるフェミニンでゴージャスな衣装やヘアメークも楽しい。

 エンタテインメントのパワーを、目で耳でダイレクトに感じられる舞台を、ぜひ劇場でご堪能あれ。

【写真】「ドリームガールズ」公演より=Photo:Jun Wajda

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【「ドリームガールズ」応援大使・澤穂希インタビューはこちら】

◆ブロードウェイ・ミュージカル「ドリームガールズ」
《東京公演》2013年7月31日(水)〜8月25日(日) 東急シアターオーブ
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://theatre-orb.com/lineup/13_dreamgirls/top.html
《大阪公演》2013年8月28日(水)〜9月1日(日) フェスティバルホール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.festivalhall.jp/program_information.html?id=112

《筆者プロフィール》岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター。WEBおよび出版を中心に、企画、編集、取材、執筆を行う。エンタテインメント、女性、仕事など、幅広いテーマで活動。

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