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特集【公演評】ミュージカル「ピーターパン」
子ども向けの文章でレポート

2013年8月12日
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 毎年夏になると、ブロードウェー・ミュージカル「ピーターパン」がやってきます。スコットランド出身のジェームズ・マシュー・バリが書いたこのおとぎ話は、今から100年以上もまえに作られたものです。本やアニメ映画などでなじみのある方が多いでしょう。おとぎ話のせかいを劇にした「ピーターパン」が初めて日本にやってきたのは1981年。33年目をむかえた今年は、神奈川、東京、大阪で上演されました。今回は「ピーターパン」の劇場レポートを紹介します。子どもがまだ小さくて、観に行けない…というお母さんやお父さんも、歌って踊って親子で楽しめる家族向けミュージカルはいかがですか?(フリーライター・桝郷春美)



〈ここからは子ども向けの文章です〉(漢字は小学校3年までに習うものを表示しています)

 みなさんは「ピーターパン」を知っていますか? ピーターパンは、みどり色のふくをきた、空をとべる男の子です。

 ピーターパンは、ようせいの国に住んでいます。国のなまえはネバーランド。そこには、小さなようせいのティンカーベルもいます。2人は、じゆうに空をとぶことができるのです。

 ある夜、ピーターパンとティンカーベルは、空をとんで、人間のおうちに行きました。まどをあけてへやの中に入ると、そこには3人のきょうだいがねむっていました。おねえさんと、2人のおとうとです。おねえさんのなまえはウェンディ。お話をたくさん知っています。

 3人の子どもたちは、ピーターパンのすむネバーランドにつれていってもらうことにしました。ピーターパンは、子どもたちにまほうのこなをかけました。それから、楽しいことを考えたら、とべるんだって。

 楽しいことをいっしょうけんめいおもいうかべる3人。クリスマス! サッカー! おたんじょうび! すると、体が空高くとんでいったのです。夜空にはお星さまがいっぱい。空のたびにみんな、大よろこびです。

 ネバーランドにつくと、ピーターパンのなかまがいました。ウェンディは「おかあさん」、ピーターパンが「おとうさん」のふりをして、なかまたちをまとめることになりました。

 楽しい時間はあっという間にすぎていきました。ウェンディたち3人は、自分たちのおうちへ帰ることにしました。ところが帰るとちゅう、みんなはかいぞくたちにつかまってしまいます。そしてピーターパンをねらうフック船長があらわれました。

 ピーターパンやウェンディは、いったいどうなってしまうのでしょう…。

 ピーターパンをぶたいでえんじたのは、唯月(ゆづき)ふうかさんという女の子です。ゆづきさんがピーターパンをえんじたのは、今回がはじめて。ぶたいの上で、げんきいっぱい歌って、おどって、みんなをもりあげてくれました。ビューンと空をとんでいましたよ。ウェンディたちの家にも空からやってきました。まどをあけてピーターパンがやってきたところをきゃくせきで見ていた女の子は、「体がこごえそうなくらい、びっくりしたー!」だって。

 フック船長は、橋本(はしもと)じゅんさんという、ベテランはいゆうさんです。フック船長はこわいけれど、はしもとさんがえんじるフック船長は、みんなだいすき。こしをフリフリ、おもしろいうごきをして、大人も子どももゲラゲラ笑っていました。

 「ピーターパン」はまた、来年の夏にやってきます。少し先になりますが、つぎの夏まで、楽しみにしていてくださいね。

〈ここからは大人向けの文章です〉

 8月、大阪・梅田芸術劇場、「ピーターパン」の上演日。この日の劇場は、普段の落ち着いた雰囲気とは違い、わいわいがやがや、子どもたちの元気な声があちこちで響き渡ります。お客さんのほとんどが親子で、三世代で観に来ていた人たちもいました。「ピーターパン」は子どもたちが主役。劇場に来ていた子どもたちの中には、物語のキャラクター、ウェンディと海賊の格好をした姉弟も。記念撮影コーナーで、意気揚々と順番を待っていました。「普段はシャイなのに、今日はやる気になって自分から並びに行ったんです」とお母さん。

 劇場ロビーには、子どもが楽しめるしかけが盛りだくさん。ピーターパンとフック船長と記念撮影ができるコーナーや、インディアンのメイク、スタンプラリーなど、開演前や休憩中も子どもを飽きさせることがありません。また入口では、ピーターパンやフック船長の着ぐるみが迎えてくれ、そこはまるでテーマパークさながらの雰囲気。屋内ですので、天候に左右されることがないのもいいですね。

 子ども向けとはいえ、「ピーターパン」は本格的なブロードウェー・ミュージカルです。ダイナミックに宙を舞う、空飛ぶピーターパンが見られるのもこの作品ならでは。2013年は新しいピーターパンが誕生しました。9代目の唯月ふうかさんは、チャーミングな見た目とまあるく響く歌声が魅力的で、今後の活躍が楽しみな新星です。タイガー・リリーとインディアンたちのダンスは、連続宙返りなどアクロバティックな動きに目が釘付け。フック船長役の橋本じゅんさんは、悪役ながら子どもたちに大人気。コミカルな動きで子どもたちの笑いを誘います。フック船長のかぎの手を模した「フックハンド」は、グッズ販売の中でも1、2位を争う人気ぶりでした。

 目の前で繰り広げられる夢の世界は、子どもはもちろん、大人にとっても魅力的です。物語が進むにつれ、劇を観ている大人の表情が変わっていったのも印象的でした。フィナーレ、キャスト全員が客席に降りてきて、歌い、踊るシーンでは、子どもと一緒にはしゃぐ親の姿も。童心に返ったかのように目を輝かせ、満面の笑みを浮かべて、本気で楽しんでいる様子でした。親も子も、普段とは違う一面を発見できるかもしれません。

【写真】「ピーターパン」公演より=撮影:渡部孝弘

【フォトギャラリーはこちら】

◆NTTドコモ ファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」
《神奈川公演》2013年7月14日(日)〜15日(月・祝) KAAT神奈川芸術劇場
《東京公演》2013年7月18日(木)〜28日(日) 東京国際フォーラム ホールC
《大阪公演》2013年8月3日(土)〜4日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
※公演は終了しています

《筆者プロフィール》桝郷春美(ますごう・はるみ) 福井県小浜市出身。人生の大半を米国ですごした曾祖父の日記を読んだことがきっかけでライターを志す。アサヒ・コム編集部のスタッフとして舞台ページを担当し、2012年1月よりフリーランスのライターとして活動。朝日新聞デジタルでの取材・執筆のほか、人物ルポを中心に取り組む。

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