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特集【公演評】ミュージカル「アニー」
何があってもあきらめない!

2013年8月15日
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 丸美屋食品ミュージカル「Annie」(アニー)の2013年版が、8月8日〜14日、大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されました(4月20日〜5月6日 東京/青山劇場)。1986年に初めて日本にやってきてから28年間、毎年上演され続け、公演回数は、2013年東京を含めると1550回、観劇者数は約152万人となります。すっかりおなじみとなった、夢と希望あふれる名作ミュージカルは、今年もたくさんの人々に深い感動を与えました。(フリーライター・さかせがわ猫丸)


〈ここからは子ども向けの文章です〉(漢字は小学校3年までに習うものを表示しています)

 1933年のアメリカ・ニューヨークという町でのお話です。

 アニーは、11さいの女の子。生まれてすぐに、お父さんとお母さんにすてられて、こじ院でくらしています。そのこじ院の院長ミス・ハニガンはとってもこわくてイジワル。でも、アニーはいつでも元気いっぱい! いつかお父さんとお母さんがむかえにきてくれるとしんじて、なかまたちと一生けんめい生きています。

 ある日、アメリカで一番の大金持ち、ウォーバックスさんが、クリスマスの2週間をこじ院の子どもとすごしたいと考えました。その子どもに、なんとアニーがえらばれたのです。

 いつでも明るくて、やさしくて、みんなを元気にしてしまうアニーとくらすことで、お金はあっても、一人ぼっちでさみしかったウォーバックスさんは、とても幸せな気持ちになります。そしてアニーを「ようし」として、自分の子どもにしようと考えました。でも、アニーは本当のお父さんとお母さんがむかえに来てくれるとしんじています。さて、アニーは、どうするのでしょうか……?

 なか間といっしょにイタズラをしたり、小さな子にやさしくしたり、つらいことがあっても、負けないアニー。物語はハラハラ・ドキドキのれんぞくです。みなさんも思わず、アニーの気持ちになってしまうかもしれません。そしてさい後は、たくさんの元気をもらうことでしょう。

 「何があってもあきらめない!」

 このミュージカルで、アニーはとても大切なことをおしえてくれました。

 子どもたちだけじゃなく、お父さんもお母さんも、家族みんなで感動できるミュージカルです。毎年やっていますので、まだ見たことのない人も、来年を楽しみにしていてくださいね。


〈ここからは大人向けの文章です〉

 ミュージカル「アニー」は、毎年キャストを入れ替えながら、28年間も続いてきました。

 11歳の孤児だった女の子がふとしたきっかけで大富豪に気に入られ、つらい現実を乗り越えながら、やがて養子として迎えられる―。

 一見、おとぎ話のようですが、魅力ある登場人物と、よく練られたストーリーにいくつものメッセージが込められていて、考えさせられるシーンもたくさんあります。ただのシンデレラストーリーではない余韻と感動は、この作品が28年も上演され続けていることを納得させてくれます。

 どんな状況にあっても明るく、いつも前向きで、周囲の人間をも幸せにしてしまうアニー。

 何もかも手に入れ、満足な生活を送っていたはずが、アニーと出会って自分の心にある大きな穴に気づき、戸惑う大富豪のウォーバックス。

 そんなウォーバックスを影で支えながら、アニーを守る秘書のグレース。

 観る人の年齢、性別、立場によって、感情移入する人物が異なるであろうことも、この作品の面白さかもしれません。

 物語の途中には、子どもたちも参加する迫力満点のタップダンスショーもあり、みどころは満載です。

 アニーを演じる吉岡花絵さん(吉岡の吉の正しい表記は、上が土となります)と石川鈴菜さんは、アニーそのものの素朴さが愛らしい。透き通った歌声は、観る者の心へまっすぐに入り込み、素直な演技は、複雑で少し斜めに物事を見てしまう大人の心の曇りを少しずつ晴らしてくれるよう。アニーと一緒にいるだけで幸せな気持ちになってしまうウォーバックスさんの気持ちに思わず共感してしまいます。

 そんなウォーバックス役には、ベテラン俳優の目黒祐樹さん。この役を演じるのはすでに8年目を迎え、通算回数は300回を超えるというだけに、その存在感はさすがの一言でした。アニーと出会って知った本当の自分への戸惑い。アニーを養子にしたいと打ち明ける様はまるで恋する少年のようで、やさしくて大きな人物ながら、繊細な気持ちを持つ純粋さに胸が打たれます。

 ウォーバックスの秘書グレースには、元宝塚男役トップの彩輝なおさん。控え目で上品ながら、強い芯を持った有能な秘書役がよく似合っています。ウォーバックスとのほのかな恋愛模様には、思わず胸がきゅんとなりそう。

 佐藤仁美さんは歴代で最も若いミス・ハニガン。孤児院の院長という、自分にとっては不本意な職で、満たされない毎日から子どもたちに当たり散らす憎まれ役に、全力でぶつかっています。

 個性的で魅力いっぱいな登場人物にぐいぐい引きつけられ、笑いあり、涙あり、そして最後はハッピーエンドで、家族みんなが楽しめる、まさにハートウォーミングなミュージカルでした。

 劇場には、小さなお子さんとお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんなど、一家そろって観に来ている人たちがほとんど。休憩をはさんで3時間という長いお芝居ながら、みんな一生懸命舞台に注目しています。目を輝かせながら全身で楽しんでいる空気もほほえましくて、一緒に幸せな時間を過ごすことが出来ました。

 この中からまた、未来のアニーが誕生するのでしょうか?

 ミュージカル「アニー」には、たくさんの夢がつまっています。

 ※「アニー」に出演している吉岡花絵さん・石川鈴菜さんのインタビュー を、19日(月)午後に掲載する予定です。

【写真】ミュージカル「アニー」公演2013より=(C)NTV

【フォトギャラリーはこちら】

◆丸美屋食品ミュージカル「アニー」
《東京公演》2013年4月20日(土)〜5月6日(月・休) 青山劇場(公演終了)
《大阪公演》2013年8月8日(木)〜8月14日(水) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(公演終了)
《鳥取公演》2013年8月18日(日) とりぎん文化会館 梨花ホール
《名古屋公演》2013年8月23日(金)〜8月25日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.ntv.co.jp/annie/

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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