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特集(5)バウホールならではの舞台

2013年9月6日

写真:「春雷」より「春雷」より、ウェルテル役の彩凪翔(写真右)・ロッテ役の大湖せしる(中)・アルベルト役の鳳翔大(左)=撮影・岸隆子

 ロッテがアルベルトとの婚約を破棄すれば、家族を窮地に陥れることになってしまう。それでもなお、強く惹かれあうウェルテルとロッテ。そのやるせない思いが、そばにいるアルベルトの視界の外で絡み合う、なんとも切ないシーンの連続です。

 自分が敗北することなどないと絶えず自信満々のアルベルトも、少しずつこぼれおちる2人の関係に気づき始め、挫折と不安を感じながらも、それを決して認めようとはしない。そんな彼もまた、可哀想で憎めない人物なのです。それは、アルベルトが放つ一言で、彼の想いや人柄が強烈に表れる瞬間があり、強く胸を打たれました。必見のシーンです。

 すれ違いや運命のいたずらに翻弄されながら、結局、ロッテが手をとったのは、ウェルテルかアルベルトか…。

 三角関係の悲恋をとことん描いたストーリーは胸キュンの連続で、ラブストーリーの原点を見るよう。微妙に揺れ動く人々の心情や恋心をより体感できる、バウホールという小さな箱ならではの良さも感じた舞台でした。

 若さゆえのきらめきと不安定さを感じながら生きたウェルテルの濃密な青春時代を一気に書き上げ、これを機に、また新しい人生を踏み出したゲーテ。

 そんなウェルテルとゲーテの姿を通して、彩凪さんもまた一歩、成長したに違いありません。

◆「春雷」
《宝塚バウホール公演》8月29日(木)〜9月8日(日)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/338/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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