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特集【インタビュー】「エニシング・ゴーズ」主演の瀬奈じゅん
ライトを浴びることは、私の栄養ドリンク

2013年9月9日

 2011年からのブロードウェイでのリバイバル上演がトニー賞3冠を獲得し、この秋、日本でも久々に再演されるミュージカルの名作「エニシング・ゴーズ」。朝日新聞デジタルでは、リノ役を演じる瀬奈じゅんにお話を聞いた。インタビューは、製作発表記者会見の後、熱気覚めやらぬ中で行われた。宝塚卒業から4年、女優としてもさまざまな実績を積み、さらに昨年末には結婚もして、公私ともにますます充実の瀬奈。新しい「エニシング・ゴーズ」への取り組みの意気込みから、女優としてのこの4年間の意外な葛藤、結婚によって変わったことなど、さまざまな思いが語られた。(フリージャーナリスト・中本千晶)

 ヒロインのリノ役は、1989年の日本初演以来ずっと大地真央が務めてきたが、今回は瀬奈が初挑戦する。また、その他のキャストや演出も一新される。一般のオーディエンスも迎えた製作発表記者会見での盛り上がりから、客席の「楽しみたい!」という思いも強く感じたという瀬奈、「最近のミュージカルは暗いものが多いので、こういうハチャメチャに明るいミュージカルが、いま必要じゃないかと思う」とも。

 演じる側にとっては難しいといわれるコメディだが、「シリアスな悲劇より、もっと真面目に取り組まないといけないから」やりがいを感じるという。アドリブで笑わせるよりも、きちんと作り込んで笑わせるコメディのほうが好きだという瀬奈は、「共演者同士がかみ合っていないと成り立たないのがコメディ。それを創り上げていくのが面白いし、それによって生まれてくる笑いが嬉しい」と、意気込みも充分だ。

 宝塚を卒業して4年、外の舞台で数々の大役をこなし、女優として順風満帆に進んでいるかに思える瀬奈だが、意外にも本人の内面では「私でいいんだろうか?」という激しい不安や葛藤があったのだという。この半年間、敢えて舞台を休んだのも、そんな自分にリセット期間が必要だと感じたからだった。インタビューでは、そのあたりの思いも率直に語られた。

 そんな4年間で転機となったのは、菊田一夫演劇賞受賞の契機ともなった「ビューティフル・サンデイ」だったそう。この作品で、「私は芝居が好きなんだな」と実感し、芝居をやっていこうと心が決まった。これから「息の長い、幅の広い女優」を目指していきたいという瀬奈は、「『女の戦い』のようなお芝居もやってみたいし、子どものいる役にも挑戦してみたい」と話す。

 最近は、周囲からも「変わった」といわれるそうだが、その理由について「外に出て、作品や自分自身と『戦う』ことができるホームができたからなのかなと思う」と分析する。昨年末の結婚は、仕事にもとても良い影響を与えているようだ。

 朝日新聞デジタルでは、宝塚卒業後何度かお話を聞いてきたが、今回のインタビューでは、「変わりゆく瀬奈じゅん」の新たな一面を垣間みることができた。そんな瀬奈が、ミュージカル「エニシング・ゴーズ」でどんな弾けっぷりを見せてくれるのかが楽しみになった。

〈瀬奈じゅんさんプロフィール〉
東京都出身。1992年に宝塚歌劇団に入団。花組に配属される。2004年月組に組替えとなり、05年月組男役トップスターに就任。在団中の主な出演作に、「風と共に去りぬ」(スカーレット役)、「あかねさす紫の花」(大海人皇子役)、「ベルサイユのばら―オスカル編―」(アンドレ役)等。「エリザベート」ではルイジ・ルキーニ、エリザベート、トートの3役を演じた経験を持つ。09年「ラスト・プレイ」/「Heat on Beat!」で宝塚歌劇団を退団。10年5月、コンサート「ALive」を開催。同年8月、「エリザベート」(小池修一郎演出)のエリザベート役で女優として本格的に活動を開始。以降、「アンナ・カレーニナ」(鈴木裕美演出)、「三銃士」「ニューヨークに行きたい!!」(共に山田和也演出)、「ビューティフル・サンデイ」(板垣恭一演出)に出演。第3回岩谷時子賞奨励賞、第37回菊田一夫演劇賞を受賞。

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【写真】瀬奈じゅん=撮影・岩村美佳

【「エニシング・ゴーズ」制作発表はこちら】

◆「エニシング・ゴーズ」
《東京公演》2013年10月7日(月)〜28日(月) 帝国劇場
《大阪公演》2013年11月1日(金)〜4日(月) シアターBRAVA!
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.tohostage.com/anything/

(関連リンク:瀬奈じゅんオフィシャルウェブサイト)
http://www.jun-sena.jp/index.html

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚関係の著作に「宝塚読本」(文春文庫)、「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか」(小学館新書)、「なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか」「ヅカファン道」(東京堂出版)。2013年9月に「タカラヅカ流世界史」(東京堂出版)を出版。スターファイルでも「ヅカナビ」連載中。

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