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特集(3)ALiveをファイナルにした理由

2013年9月9日

写真:瀬奈じゅん撮影・岩村美佳

――最近のトピックスといえば、何といってもコンサート「ALive Final」を終えられたばかりですよね。こちらはいかがでしたか?

 楽しかったです! 私、半年ぐらい舞台を休んでいたので、「ああ、やっぱり私は舞台が好きなんだなあ」ということも再認識できました。

――「ALive Final」というタイトルで、今までのやり方は、今回でいったん区切りをつけるというお考えだとうかがいましたが?

 「ALive」をやり始めたのは宝塚を退団して半年ぐらいのときだったので、男役・瀬奈じゅんが好きだった方のためのオマージュ的な要素、ファン感謝祭的な要素を含んでいました。でも、退団してもうすぐ4年たちますし、そういうコンセプトからはそろそろ卒業したいなという思いがあったので、ファイナルとつけたんです。ですからこの後、コンサートは一切やらないということではなく、そういうコンセプトの「ALive」はいったん終わりということです。

――ここ最近は舞台からは離れてらっしゃいましたが、その代わりテレビにご出演されたり、朗読劇をされたり、また新しいことにも挑戦されてきましたが?

 とにかく私、卒業してからも舞台が続きすぎて、好きでやっているのか、何だか自分がわからなくなってしまった部分もあったんですよね…。宝塚に入ってからは、トップになることを目標にがんばってきて、トップになってから4年半は、いいトップになることを目標にがんばってきて。それで宝塚を退団して、男役をやめて、じゃあその後何になりたいか、何をしたいかを考えつかなかったし、「男役じゃない自分を認めてもらえるんだろうか」とか「必要としてもらえるんだろうか」という不安もあったし、ある種の「燃えつき症候群」みたいなことになってたと思うんですね、自分では気づいていなかったけれど。

 そんな感じで4年間ほど舞台に出させていただいていて、「私でいいんだろうか?」「うまい人も、きれいな人も山ほどいるのに、私がこんなところに立っていていいんだろうか」といった不安や葛藤が、ずっと心の中にありました。

――そうだったのですか…。

 そうなったときに、宝塚は終わりがあるからストイックにがんばれるけれども、これからは別に終わりはないわけだから、息切れしないように切り替えもちゃんとしていかなきゃいけないと思ったんです。舞台人ってもちろん苦しんで生み出さなきゃいけないし、ストイックになるのも大事だけど、気分転換も必要だなと思って。

 休みがなかったことに文句があるわけでは全然なくって、休みたかったわけでもないんです。でも、何だかあまりにも全部を出し尽くしてしまって、自分の引き出しを増やせないことが、すごいジレンマだったんですよ。どこかに行って、何かを見て、感じたり、アイデアが浮かんだりして、引き出しが増やせないことが…。ですからもう一度リセットして、ちゃんと引き出しを増やして、次に舞台に上がれるだけの、エネルギーを貯蓄したかったんです。それで半年間、舞台をお休みさせていただきました。

――いまのお話をお聞きして、すごく意外な感じがしたのですが…。

 そう、すごく意外といわれます。何も感じてないみたいに見えるみたいで(笑)。

――いえ、そういう意味ではなくって…。

 でも、それも違うの。本当に私は見栄っ張りで…そういう風に悟られたくなかったり、心配されたくないというプライドが…変なプライドが高いんですよ、きっと。だから、「なーんにも気にしてません」「なーんにも考えてません」っていうふりをしちゃう。でも、それもいけないなと、最近は思うようになりました。

――私が意外だなと思ったのは、ミュージカルの女優さんとして、とても順調にやってらっしゃるという印象を持っていたからなんです。やはり宝塚出身の方って「元宝塚スターの○○さん」というのを売りにしていかれる方が多いと思うんですけれども、そこをうまく卒業されて、本当に日本を代表するミュージカルの女優さんになられたなと感じていましたから。

 本当に、仕事的には本当に恵まれているなと、自分でも思ってます。でも、そういう風に見られたかった…見られたかったという言い方は変だけど、それで私は正解だと思っているし、そういう風に言っていただけるのはすごくうれしいです。

――じゃあ、そういう部分での、自分の中での目標を達成できたという実感は、ありますか?

 ないです。ないから、「これはちょっとまずいな」と思ったんです。「これをやり切った」とか「これは納得できた」という実感が、ほとんどなかった。それで自分の中で葛藤がありました。

 もちろん、そればかりじゃないんですよ。いいことも、うれしいこともたくさんありましたし。でも、これから息の長い女優としてやっていくためには、自分をリセットする期間も必要じゃないかなと思います。これまでは、ありがたいことに主演をさせていただくことが多かったけれど、そこにこだわっていないし、色々な役ができる幅の広い女優になっていきたいと思っているので、いろんなことを吸収したいなと思っています。

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