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特集(3)ドイツが舞台の作品は珍しい

2013年9月17日

写真:「春雷」より「春雷」より、ウェルテル役の彩凪翔=撮影・岸隆子

 タカラヅカファンの間でおなじみのフランス革命が1789年だから、この話はそれより約20年ほど前のお隣の国の話ということになる。

 ドイツを主な舞台にした作品というのは、タカラヅカでは比較的少ない。試しに、公式ホームページの「公演バックナンバー」を遡ってみたが、2008年(再演)の「舞姫」まで見つけられなかった(昨年上演された「銀河英雄伝説」の銀河帝国はドイツをモデルにしているといえなくもないのだが)。いっぽう、お隣の国フランスを舞台にした話は「ベルサイユのばら」「スカーレット・ピンパーネル」をはじめ星の数ほど上演されており、今もまたすぐそばの宝塚大劇場で「愛と革命の詩」が上演されているというのに…。

 タカラヅカファンにとってのドイツといえば「フランスに攻め込んで来る敵国」のイメージが強すぎる。あるいは、“オーストリア・ハプスブルク帝国”を脅かす存在といったところか。そのドイツが舞台となる物語というのが、今回は新鮮に感じられた。

 ドイツを舞台とした作品が少ないのは、やたらとドラマチックにロマンチックに物語が展開しがちなフランスと違って、お国柄から来る理知的で端正なイメージが、宝塚大劇場にはそぐわないからかもしれない。だが、バウホールという小劇場空間には、それがよくはまっていた。劇中では、ゲーテが作詞しシューベルトが作曲した「野ばら」が使われていたが、その美しくもやや哀しげな旋律が、耳に残る舞台だった。

◆「春雷」
《宝塚バウホール公演》8月29日(木)〜9月8日(日)
※公演は終了しています。

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。1967年山口県生まれ。東京大学法学部卒業。株式会社リクルートで海外ツアー販売サイトの立ち上げおよび運営に携わる。2000年に独立。小学校4年生のときに宝塚歌劇を初観劇し「宝塚に入りたい」と思うも、1日で挫折。社会人になって仕事に行き詰まっていたとき、宝塚と再会し、ファンサイトの運営などを熱心に行なう。宝塚の行く末をあたたかく見守り、男性を積極的に観劇に誘う「ヅカナビゲーター」。13年9月に「タカラヅカ流世界史」(東京堂出版)を出版。

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