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特集【公演評】「ロミオ&ジュリエット」
等身大でリアルな、魂剥き出しのロミオ

2013年9月18日

 シェイクスピアによる不朽の名作を現代風にアレンジしたミュージカル「ロミオ&ジュリエット」が、10月5日まで東京・東急シアターオーブにて上演中、次いで10月12日〜27日に大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演される。2011年の初演の好評を受けての再演とあり、期待が高まるなかで観劇に臨んだ。(フリーライター・岩橋朝美)

 本作はメインキャストの多くがWまたはトリプルキャストで、その組み合わせの妙が見どころ。筆者は9月7日昼公演(ロミオ=古川雄大、ジュリエット=フランク莉奈、ベンヴォーリオ=尾上松也、ティボルト=加藤和樹、マーキューシオ=東山光明、パリス=加藤潤一、死=中島周)と、9月9日公演(ロミオ=柿澤勇人(東京公演のみ出演)、ジュリエット=清水くるみ、ベンヴォーリオ=平方元基、ティボルト=城田優、マーキューシオ=東山光明、パリス=加藤潤一、死=大貫勇輔)を観劇した。

 主人公ロミオは東京公演のみ城田、古川、柿澤のトリプルキャストだが、古川、柿澤はともに今回が初参加。初演時のロミオは、宝塚歌劇版にも通じる甘くロマンティックな魅力を醸し出していたが、今回観た古川、柿澤ロミオはより等身大でリアルな人物像になっているのが特徴だ。

 古川ロミオは端正な小顔に長い手足と、まるで二次元から抜け出てきたようなルックス。はにかんだような笑顔に陰鬱をたたえ、一見アンニュイな王子様系かと思いきや、繊細で情熱的、初々しくも色っぽく、実に多面的でエモーショナル。ロミオが生来持っている心の穴をジュリエットの存在が埋め、そのジュリエットを失うことで彼の世界が崩れていく様を、顔を歪め涙で濡らし、文字通り、のたうち回って体現する。こんなにも見ていてヒリヒリする魂剥き出しのロミオは初めて見たように思う。甘い歌声もキャラクターに合っている。

 一方の柿澤ロミオは、周囲の友人たちよりも幼く見える少年のような印象。幼なじみのマーキューシオやベンヴォーリオに愛される天真爛漫な明るさが持ち味。そんな等身大の少年ゆえに、ジュリエットとの無邪気な恋の高揚感と、その恋心が友人たちを巻き込む激しい諍(いさか)いを引き起こし、ついには自ら殺人を犯すという、幸せから絶望の淵へ急転直下する衝撃が真に迫る。また、抜群の歌唱力を誇る柿澤だけに、ロミオのソロ「僕は怖い」は息をのむ迫力だ。

このように、ロミオを筆頭に、脇役に至るまで役の掘り下げがしっかりできているのが、今回の再演の大きな魅力だ。

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【写真】「ロミオ&ジュリエット」公演より、古川雄大(ロミオ)、清水くるみ(ジュリエット)=撮影:渡部孝弘

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【制作発表の記事はこちら】

◆ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」
《東京公演》2013年9月3日(火)〜10月5日(土) 東急シアターオーブ
《大阪公演》2013年10月12日(土)〜27日(日) 梅田芸術劇場メインホール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://romeo-juliette.com/

《筆者プロフィール》岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター。WEBおよび出版を中心に、企画、編集、取材、執筆を行う。エンタテインメント、女性、仕事など、幅広いテーマで活動。

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