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特集(4)甲乙つけがたい中島と大貫の「死」

2013年9月18日

写真:「ロミオ&ジュリエット」「ロミオ&ジュリエット」公演より、古川雄大(ロミオ)、平方元基(ベンヴォーリオ)、水田航生(マーキューシオ)、大貫勇輔(死のダンサー)=撮影:渡部孝弘

 そして、前回も強烈な印象を放った「死」。今回はトリプルキャスト(東京公演のみ)だが、筆者が観たのはともに続投の中島周と大貫勇輔。地縛霊のようにヴェローナという土地に張りつくように存在する中島の「死」は、ぬめぬめと動き、道化のような表情があるものの、そこには人間の感情的な意味を一切見て取ることができない。擬人化することができない、まさに「死」としか表現できない不気味な存在だ。

 大貫の「死」は、食い入るように「何か」を見つめ、時にあざけるように笑う、擬人化された不吉な象徴だ。いつの間にかロミオの内側を陰鬱で満たしてしまうような、境界線を持たない中島の「死」に対して、大貫の「死」は、見つめられたら死を免れなさそうな強烈な吸引力で、ロミオを外側から支配するイメージで、どちらも甲乙つけがたい。

 今回初参加の加藤潤一のパリスは、ややぽっちゃり体型と、細かいことを気にしなさそうな鈍感力がいかにも裕福なおぼっちゃんという風情。ピンクの衣装は違和感たっぷりで、ロミオがパリスを評して言う「ピンクゴリラ」が言い得て妙で笑いを誘った。

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