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特集(5)恋の導火線に火がついた

2013年10月9日

写真:「第二章」より「第二章」より、ジョージ・シュナイダー役の轟悠(写真左)とジェニファー・マローン役の夢咲ねね(同右)=撮影・岸隆子

 新しい恋に踏み出す気にもなれなかったジョージとジェニファー。しかし、ふとした1本の間違い電話から、思いもよらない展開が始まります。最初は疑心暗鬼だった2人のやりとりも、だんだんと弾むようになり、気づけば「5分間テスト」という名目をつけて、デート(?)の約束にまで発展。電話を切る頃には、もう互いの心には恋の導火線に火がついていたのでした。

 そうなると話はとんとん拍子に進み、あっという間に結婚へとたどり着くのですが、あわてたのはレオとフェイ。もともと自分たちがきっかけを与えた出会いではあったものの、こうも早く進められてはと、驚くやら焦るやら。

 とにかく軽妙なやりとりがおもしろい! 4人がそれぞれ交わす会話には、ウィットに富んだセリフやエスプリの効いた例えがふんだんにちりばめられ、客席をぐいぐい引き込んでいきます。さらに、レオが娘の発表会を宝塚風にして話したり、「じぇじぇ」などの流行語も織り込んだりするなど、お笑いの部分も盛りだくさんで、ひと時も目が離せません。

 恋の炎は燃え上がり、勢い込んで結婚したものの、やはり人の心はそう簡単に割り切れるものではありませんでした。心を閉ざしてしまったジョージに対し、一生懸命自分の気持ちを訴えるジェニファーはけなげで切なくて、女性ならきっと胸がぎゅーっと絞られるはず。それにこたえられないジョージもまた自己嫌悪に苦しみ、どうしたらいいのかわからない状況に、2人と一緒にやるせない思いでいっぱいになってしまいます。

 ジョージは愛する妻を亡くした失意から、本当に立ち直って、ジェニファーときちんと向き合い、人生の第二章に踏み出せるのでしょうか?

 2人がシリアスに悩む中、ジェニファーの部屋を借りてまでアバンチュールを楽しもうとするレオとフェイの関係は、いったいどうなるのでしょうか?

 アダルトな内容がかなり盛り込まれているせいか、夢から一瞬冷めてしまうセリフが時々あったのが少し残念でしたが、たっぷり笑って、たっぷり泣いて、歌やダンスがないことにあとから気づくくらい、充実感でいっぱいに。実力者たちががっぷり組んだ、ストレート・プレイの面白さをとことん味わいました。

 忘れてならないのは、最後についていたショーです。

 芝居が終わって、客席から登場した英真さんが、ゴージャスなタキシードに身を包み、早乙女さんとデュエットするのはなんと、「忘れていいの ―愛の幕切れ―」。谷村新司さんが小川知子さんの胸元に手をのばす振りも見事に再現して、笑いながら酔わせていただきました。

 轟さんと夢咲さん、それぞれのソロとデュエットダンスもあり、最後にはしっかり宝塚ならではの味で総仕上げ。

 「おかしな二人」に引き続き、専科公演のグレードの高さを見せつけられた舞台でした。

【フォトギャラリーはこちら】

◆「第二章 ―CHAPTER TWO by Neil Simon―」
《宝塚バウホール公演》2013年10月3日(木)〜14日(月)
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/358/index.shtml

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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