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特集(1)立ち回りシーンは技の宝庫

2013年10月16日

写真:「真田十勇士」「真田十勇士」公演より=撮影・阿久津知宏

 幸村や真田十勇士についてはこれまで、多くの時代劇が作られてきた。また2014年は大坂冬の陣から400年ということもあり、今後も作品が続く。筆者が真田幸村に関する作品を観たのは今回が初めてだったが、本作はこれからもずっと、心の中の引き出しに大切にしまっておきたいと思える一作だった。

 幕が開くとまず、床いっぱいに組み上げられた傾斜のある舞台が目の前に広がった。流れる大河をイメージしたという装置は、徳川の勢力を象徴的に表したもの。このセットは、躍動感あふれる立ち回りシーンから、絢爛な大坂城内まで、高低差を生かした形で見事に変化していく。

 本作では立ち回りシーンが多く出てくる。その特徴は「忍術」が組み込まれていること。十勇士のメンバー、霧隠才蔵(葛山信吾)はその名のとおり霧隠れの術で、白煙をあげて相手を翻弄。由利鎌之助(松田賢二)は先端に鎌がついた鎖を外に向かって放ち、敵を威嚇する。何が飛び出すか分からないスリリングな展開に、思わず「うわっ」と声が上がることも。

 一輪車でヒラリと風のように現れた勇士は、筧十蔵(三津谷亮)。傾斜のある不安定な舞台の上で、一輪車に乗りながら肩に武器を担ぎ、殺陣に加わる。常人にできる技じゃないだろうと目を見張り、プロフィールを確認すると、なるほど彼は一輪車の世界大会で2度の優勝経験があった。立ち回りのシーンは、まさに技の宝庫だ。

 ほかにも個性的な面々が多く登場。三好清海入道(小林正寛)と三好伊佐入道(佐藤銀平)コンビは、兄弟コントのようにコミカルに、そして長い棒を振り回してダイナミックに立ち回る。望月六郎(植本潤)は、扇子をヒラヒラさせながら、妖しい笑顔を向けて、ふいに場の流れを変えていたのが印象的だ。

 立ち回りは主に、中央の大きなセットの上で行われる。さらに舞台の傾斜を滑り台のように活用したり、左右に枝分かれしている小橋のような装置から出入りしたりすることで、三次元空間のスケールが広がり、迫力が増す。

 アクションにトリックを使った演出、趣向を凝らした立ち回りの場面の数々は、エンターテインメントとして満足度が高かった。

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