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特集(2)「負けて勝つ」その核となるのは

2013年10月16日

写真:「真田十勇士」より「真田十勇士」より=撮影・阿久津知宏

 豊臣方に就き、家康に肉薄する幸村。それまで世に知られる存在ではなかった幸村が、大坂冬の陣、夏の陣、2度の戦いの中で、己のなすべき事に気付く。

 そこで核となるのが、十勇士の一人、猿飛佐助(柳下大)。豊臣秀頼(相馬圭祐)の寝室に忍び込んで淀の方(賀来千香子)の怒りを買ったり、お茶屋で出会ったハナ(倉科カナ)に恋をしたりと、一見無鉄砲な行動で周りをハラハラさせるも、それらは後につながっていく。佐助を演じる柳下は、くりくりとした愛らしい瞳が印象的な青年。謎の多い忍びという役どころでありながら、佐助のまっすぐな人柄を素直に表現し、佐助という一人の青年の魅力が伝わってきた。そして、彼のある秘密が明らかになったとき、物語が大きく動く。

 佐助はこの戦国の世の終わりに、生き抜くことを託された“希望”。彼の秘密を知った幸村は、十勇士たちと心を一つに、決死の策に打って出る。最期まで大坂城から離れないと腹を決めた淀の方と秀頼ら、豊臣家の皆の願いも背負って…。

 本作の「負けて勝つ」というキーワードの意味が、じわりと腑に落ちて行ったのはそれからだ。その過程で、十勇士のメンバーである根津甚八(粟根まこと)と穴山小介(玉置玲央)、2人の動きが光る。幸村や仲間たちの間で、底意地の悪い部分を見せていた2人は、幸村のもとを離れ、徳川の懐に飛び込んだ。敵なのか味方なのか、彼らの真意がつかみきれず、最後まで翻弄させられた。そんな彼らの動きは、幸村と家康の心理戦の鍵を握り、それはまるでトランプゲームの神経衰弱のような味わいがあった。

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