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特集【公演評】上川隆也主演「真田十勇士」
「負けて勝つ」生き様を骨太な人間ドラマに

2013年10月16日

 上川隆也主演の「真田十勇士」がこのほど上演された。大坂夏の陣で、徳川家康を追いつめた末に討死した武将、真田幸村。幸村のもとには、個性豊かな十人の勇士たちが仕えていた。幸村と十勇士の「負けて勝つ」生き様を、劇団☆新感線の座付き作家、中島かずきが骨太な人間ドラマに仕立てた。時代劇を壮大なスケールのエンターテインメントとして見せながらも、品格を感じさせる秀作だった。(フリーライター・桝郷春美)

 本作の時代背景は、慶長19年(1614年)。江戸幕府を開いた徳川家康が、豊臣家を根絶やしにしようと、大坂城を攻めた大坂冬の陣と、翌年の夏の陣の頃に焦点を当てた。大坂城に招かれた幸村は、豊臣の血を守るために、真田丸と称した出城を築き、彼に仕える十勇士たちと共に徳川方と戦う。

 幸村のことを一目置く家康。豊臣方に就き、家康に肉薄しながらも最後の一手が打てない幸村。物語では、二者の間で心理戦が繰り広げられていく。家康役を演じるのは、時代劇の重鎮、里見浩太朗。天下人の風格漂う里見は、舞台に登場するだけで場がぐっと引き締まる。

 幸村役の上川は、精悍な目つきで、鬼気迫るオーラを放つ。初めはそうでもなかったのだが、彼の存在感は、終盤になるほどすごみを増していき、心に秘めた熱が、波動となって一帯の空気を震わせているかのようだった。観劇から数日経った今も、まぶたの裏には、彼の覇気を帯びたその姿が強烈に焼き付いて離れない。

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【写真】「真田十勇士」より=撮影・阿久津知宏

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◆舞台「真田十勇士」
《東京公演》2013年8月30日(金)〜9月16日(月・祝) 赤坂ACTシアター
《名古屋公演》2013年9月21日(土)〜23日(月・祝) 中日劇場
《大阪公演》2013年10月3日(木)〜6日(日) 梅田芸術劇場メインホール
※公演は終了しています

《筆者プロフィール》桝郷春美(ますごう・はるみ) 福井県小浜市出身。人生の大半を米国ですごした曾祖父の日記を読んだことがきっかけでライターを志す。アサヒ・コム編集部のスタッフとして舞台ページを担当し、2012年1月よりフリーランスのライターとして活動。朝日新聞デジタルでの取材・執筆のほか、人物ルポを中心に取り組む。

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