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特集(2)全身血まみれになりながらも…

2013年10月29日

写真:「唐版 滝の白糸」公演より「唐版 滝の白糸」公演より=撮影:細野晋司

 孤独で気弱で、どちらかというとお甲のことを嫌っていたアリダは、まるで取り付かれたかのようにお甲の芸に惹かれて行く。その姿はさながら、お甲と愛し合って死んだ兄のようだ。いっぽうの銀メガネも強欲な犯罪者としての正体を現す。突如として現れた男たちによって長屋が破壊され、水芸が続けられなくなったとき、お甲は自らの手首を切り、その血しぶきでもってなおも芸を続けようとする。舞台上に吹き上がる水もいつしか鮮血となり、アリダは全身血まみれになりながらも、なお、お甲を追い求める…この大スペクタクルこそが、本作の真骨頂だ。

 お甲の水芸の場面や、長屋の物干し台が崩れ落ちる様など、大掛かりな仕掛けの迫力に圧倒されるいっぽうで、なにげに宙を飛ぶ三輪車や、ゆらゆらと揺れる「えもんかけ」にも目を奪われる。初演時は映画の撮影所を劇場にして実現したという舞台装置は、大胆かつ「繊細」である。

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