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特集(1)「音楽の視覚化」を通してつづった1篇の詩

2013年11月6日

写真:「ニューヨーク・シティ・バレエ 2013」公演より「ニューヨーク・シティ・バレエ 2013」公演より=(C)Hidemi Seto

 Aプロ最初の「セレナーデ」は1935年、設立間もないスクール・オブ・アメリカン・バレエのために振り付けられたもので、アメリカ・バレエ史を考える上で欠かせない作品。しばしば言われるように、バランシンの作品は基本的に「音楽の視覚化」であり、ストーリーを持たない「プロットレス・バレエ」だが、バレリーナが転倒したり髪のシニヨンがほどけたりといった、リハーサル中のアクシデントを取り入れており、なんとなく役柄めいたものも見える。しかしそれは明確な物語を紡ぐことなく、そこはかとなくドラマを感じさせるのみ。複雑な動きは比較的少なく、ひたすら美しいフォルムが展開していくこの作品は、30分間かけて綴られる一篇の詩のようだった。

 次の「シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ」の幕が開くと、舞台の対角線上にずらりと並ぶ白いレオタード姿の女性ダンサーたちに、自然と拍手がわき起こる。こちらは、表現主義舞踊にも通じるような力強い作品だ。ダンサーたちは勢い良く脚や腕を振り上げ、鋭角的なポーズを決める。跳躍に次ぐ跳躍、素早いステップ、フォーメーションの目紛しい変化も、すべてエネルギッシュにこなされていた。ストラヴィンスキーの音楽と共に、ミステリアスで、どこか土俗的な雰囲気も楽しめる。隊列の組み方やピンクのレオタードにポニーテールといった出で立ちには古めかしさを感じがちだが、バレエが基盤にあることで、洗練が保たれている。

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