マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集(1)「なぜここにきた?」不穏に責め立てる

2013年11月12日

写真:「メリリー・ウィー・ロール・アロング」公演より「メリリー・ウィー・ロール・アロング」公演より、フランク役の柿澤勇人=撮影:渡部孝弘

 劇場に入った途端、白を基調としたシンプルだが、なにかを期待させる抽象的な舞台セットが目に飛び込んだ。50年代〜70年代を描いた青春群像劇を想像していたせいか、なんとなくノスタルジックなセットになるのではとの先入観があったのだが、ステージは額縁のように白い枠で囲まれ、同じく白い可動式の板が縦に4枚、横に1枚背景に設置されている。そして、舞台の中央には盆があり、その上にはグランドピアノが置かれている。

 日本のミュージカルで、セットを見ただけで胸が高鳴る作品はそれほど多くはない。「ああ、これは期待できそうだ」とひとりごちると、幕が開いた。

 オールバックでジャケットを脱いだタキシード姿のフランク(柿澤)が、大勢のアンサンブルキャストとともにステージに飛び出してくる。アンサンブルキャストによる主題歌「Merrily We Roll Along(メリリー・ウィー・ロール・アロング)」は、「出かけよう 広がる世界」という希望に満ちた未来を感じさせる歌詞と明朗な曲調で始まるが、途中で不穏に畳みかけるような曲調に変化し、「なぜここに来た? いつの間に?」とステージの中央にいるフランクを責め立てる。次第に曲の勢いが増し、希望と逡巡が錯綜しながら、舞台はフランクの自宅で行われている享楽的なパーティーへとなだれこみ、物語は始まる。

続きを読む

戻る

バックナンバー

宝塚歌劇一覧へ>> 舞台一般一覧へ>> 動画掲載記事一覧へ>> 過去記事一覧へ>>

過去記事一覧へ>>

ページトップへ戻る

Astandについて個人情報著作権利用規約特定商取引会社案内お問い合わせ