マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集(1)エリザベスが考えた「平和の鍵」とは

2013年11月29日

写真:「レディ・ベス」制作発表より「レディ・ベス」制作発表より=撮影・岩村美佳

■制作発表会見

 制作発表の冒頭、この作品の脚本・作詞を手掛けたミヒャエル・クンツェのビデオメッセージが上映された。

〈以下、ビデオメッセージの内容〉
 親愛なる日本の皆様、リーヴァイさんと私はヨーロッパの作家ですが、新作を日本で上演することは決して偶然ではありません。日本とは20年来のお付き合いで第二の故郷となっているからです。私たちの作品を実現させるのに日本ほど適した場所はありません。

(質問)「レディ・ベス」を通して伝えたいことは?

 中傷と迫害に苦しむ若い女性が失望と死の恐怖を乗り越えて、真実の愛に巡り合い、どうやって成人していくかという成長物語です。

(質問)エリザベス1世の興味深い点は?

 英国でもっとも有名な女王ですので、多くの書物や映画で取りあげられています。しかし、彼女が少女の頃に中傷と迫害に苦しんだことはあまり知られていません。彼女は私生児と呼ばれ、ロンドン塔で死の恐怖を味わいました。危険と自問自答に満ちた彼女の少女時代は、ドラマとしてとても興味深いものがあります。彼女は聡明で、多くのアイディアと、強い自負心の持ち主でした。多少尊大なところがあったとしても、その強さで困難を乗り切ることが出来ました。彼女は生まれつき、政治的な直覚力を持ち、宗教に関する寛容こそが国民に平和をもたらす鍵であることを知っていました。この物語は人間の成長の物語です。エリザベスは多くの困難を乗り越えて女王として即位します。誰もが成人する過程において、乗り越えるべき局面があるでしょう。また、宗教上の見解の違いから巻き起こる争いについて描かれます。そして「レディ・ベス」では、とりわけ宗教的な寛容の必要性を説いています。私はこの問題が最も今日的で重要なテーマだと考えているからです。

(質問)ロビン・ブレイクという役について

 ロビンは架空の人物ですが、エリザベス1世の時代の多数の詩人や歌手、劇作家などの人物像を代表して登場します。私は若きシェイクスピアをイメージしましたが、ベン・ジョンソンなど他の劇作家であっても良いのです。

(質問)ヘンリー8世や、アン・ブーリンについて

 「レディ・ベス」は二人とも逝去した後の物語です。しかしこの二人は、エリザベス1世の両親であり、彼女が成長する過程で重要な意味を持っています。母親のアン・ブーリンは彼女が3歳の時に反逆罪ということで処刑されました。母は不貞を行った悪い女だと聞かされていました。幼いエリザベス1世はその事を信じていたので、父が国王であることで自尊心を保っていました。義理の姉からは、父親はヘンリー8世でなく、母親の愛人であったと言われ、動揺します。それでも自分は王家の血統であると信じ、それを証明すべく努力を重ねていきます。

(質問)日本でクンツェ&リーヴァイの作品が愛される理由は?

 私たちの感性と、日本人の繊細な感性とはどこか通じるものがあるのでしょう。お互いに強く共感しているのだと思います。作品の成功とは別に、私たちは初めから日本人の美徳には共感していました。だからこそ、心から信頼できる友人だと感じているのです。

(質問)世界初演を日本で迎えることの感想は?

 「レディ・ベス」が日本の皆様に受け入れて頂けるかどうか―また、ご期待に応えられるかどうかとても気になっています。しかし、全力を注いだ作品に満足して頂けるとも思っています。素晴らしいリーヴァイさんの音楽、最高の演出家である小池さん、世界レベルを誇る東宝が製作、という布陣なので、私は安心しています。私たちは、この作品を心から誇りに思って、皆様にお届け致します。

続きを読む

戻る

バックナンバー

宝塚歌劇一覧へ>> 舞台一般一覧へ>> 動画掲載記事一覧へ>> 過去記事一覧へ>>

過去記事一覧へ>>

ページトップへ戻る

Astandについて個人情報著作権利用規約特定商取引会社案内お問い合わせ