マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集【トピックス】朝日新聞連載「おお宝塚 それぞれの道」(下)
舞台は議場 男女差問う

2013年12月6日

 「男役トップスターが主役の宝塚歌劇で娘役を演じ、退団後はジェンダー(社会・文化的な性差)について考え、今、男女共同参画社会をめざしている」。兵庫県芦屋市議の中島かおり(46)は、2007年の統一地方選で初当選し、2期目。今年6月から副議長を務める。

 幼い頃から母に連れられて観劇した宝塚に憧れた。阪神地区のミッション系スクールに幼稚園から高校まで通ったが、高校を2年で中退して宝塚音楽学校に入学。半年後の声楽や舞踊の学内試験でトップになり、在校時は首席の「1番委員」を務めた。

 1987年、73期の同期生42人で初舞台を踏む。月組に入った。しかし、退団までの5年間に大役は無かった。月組同期に天海祐希がいた。入学前から将来のスター候補と目され、実際、上級生を飛び越してスターダムを駆け上がっていった。

 「挫折感はありました。芸能の世界は私のような優等生タイプはだめなんだと」

 退団後、27歳で関西外大短大部で英語を学び、放送大学で教養学士を取得。ロシアの老人施設に支援物資を届けたり、カンボジアの子どもたちの学校をつくったりするNGO活動に参加した。

 一方、派遣会社などで働くうちに、厳然とした「男社会」の存在を実感した。退団した男役の同期が「やっと女に戻りつつある」というのを聞き、男女の役割を考え始めた。関心は、ジェンダー論や家族論へと広がっていった。

 「日本は自殺率が高い。年齢の高めの男性の自殺者が圧倒的に多い。男はこう、女はこうあるべきだとするのが強すぎて男性も抑圧されている」。そんな社会を変えたいと、39歳で選挙に出た。

 昨年の6月議会で「市職員の旧姓使用」を問題にした。課長に昇進した女性の姓が、議会内と庁内とでは異なることに気付いたからだ。女性職員は議会に出る時は実名、職場では旧姓と二つの名札の使い分けを強いられていた。

 市は今年4月、公権力行使に関わる場合などを除き、旧姓使用を認めた。女性課長は今、旧姓で議会に出る。

 「市の幹部から『あなたが質問しなければ変わらなかった』と言われ、涙が出た。これってわたし的には、すごい前進。宝塚時代から今まで、なんだかすべてがつながっているようで、不思議ですね」

    ◇

 来年、100周年の宝塚歌劇。華麗な現役時代に別れを告げ、退団後に歩む道は十人十色だ。今週は、芸能界と縁の薄い世界に進んだOGたちの姿を紹介します。=敬称略(鈴木裕)

【写真】芦屋市議になった中島かおり=兵庫県芦屋市、伊藤菜々子撮影

続き(有料部分)を読む


【フォトギャラリーはこちら】

バックナンバー

宝塚歌劇一覧へ>> 舞台一般一覧へ>> 動画掲載記事一覧へ>> 過去記事一覧へ>>

過去記事一覧へ>>

ページトップへ戻る

Astandについて個人情報著作権利用規約特定商取引会社案内お問い合わせ