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特集(3) 楢原と牧島、女性の嘘と真実に説得力

2013年12月9日

「LILIES」(Sebastianiチーム)公演より「LILIES」(Marcellienチーム)公演より

 そして、ベテランといえば、女性役を演じる楢原と牧島だ。本作のおもしろさのひとつが、登場する女性はすべて男性の囚人が演じている設定になっていることだ。そのため、彼らはメイクを施さず、素顔のままドレスを身に着けて女性を演じている。違和感がありそうだが、実際に彼らが動き話し出すと、どう見ても女性でしかない。

 なかでも、所作や話し方に貴族らしい気品が漂い、言葉の端々にフランス人らしいプライドやエスプリが宿る楢原のティリー伯爵夫人の説得力にはうなった。シモンとヴァリエの愛をただひとり軽やかに肯定する柔軟な感性を持つ彼女は、夢想家のふりをして、現実を冷静に見据え生きる術として嘘をまとう知性をも合わせ持つ。彼女が息子に求める愛は一般的には受け入れがたいものだが、それすらもひとつの考えとして納得させてしまう魅力が、彼のティリー伯爵夫人にはあった。

 また、旅行者であるフランス人リディアンヌ役の牧島も、年下のシモンに寛容的であろうとしながら、いつしか不安に苦悩する年上の女性を好演。彼女がティリー伯爵夫人へつく嘘と真実はヴァリエ親子の一縷の望みを絶つものだった。

「LILIES」(Sebastianiチーム)公演より「LILIES」(Marcellienチーム)公演より

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