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特集(4)「マンマ・ミーア」のドナ役で気付いたこと

2013年12月11日

写真:保坂知寿撮影・岩村美佳

――私も四季の舞台はずっと拝見していて、保坂さんの舞台も拝見してきたのですが、昔はずっとヒロイン系の役どころをされていて…。

 ほんとですよ(笑)。いつの間にか…っていう。

――でも、年を経るごとに、役者さんとして変わっていくことができるのは素敵だなと思うのですが。

 ありがとうございます。でも、変わっていかざるを得ないというか(笑)。最近はカンパニーに入って、ドキドキしながら皆さんに年を聞くと、一番上とか、女性の中で一番上とか、そういうことが多いんですよ。この間の「エニシング・ゴーズ」でも、女性では一番上だったんです。

――そうだったんですか。

 私より上というと、鹿賀さんと、船長さんだけだったので、「ああ、そういうことなんだなー」と思いましたね。自分はずっと舞台をやっているので、中身はそう何も変わっていないと思ってるんですけどね。でもね、その年齢になって初めてできる役をやらせていただけてるのは、とてもラッキーだなーと思いますね。

――役者さんとして、年を重ねるごとに自分も変わらなくちゃいけないというのは、どんな感じなんでしょう?

 私は何でもやりたいですね。「年を取った役は、やらなくてもいいのにな」と思われるお客さんもいるかもしれないけれど、自分的には全然オッケーです。劇団にいた頃、「マンマ・ミーア」でお母さん役をやり始めたときに、「こういう役もできなきゃだめじゃん」と本当に思って。自分は子どもを生んだ経験はないけれど、そんなことを言ってる場合じゃない。それだけの年齢を重ねてきたわけだから、どんどんやっていかなくてはと思ったんです。やってみると、それも面白いんですよね。この間の「エニシング・ゴーズ」もそうでしたね。歌もなくて、「ミュージカルなのに歌わないんですか?」なんて、みんなに言われて。

――そう言われてみたら、歌がなかったですね。

 そうなんです! 気付かれなかったりするんですけど。台本を読んだときも「あ、歌はないんだ」と思ったんですが、それでも自分なりに何か、新しく感じたり、見つけたりできればと思ったんです。

――そう、私、「マンマ・ミーア」も拝見したのですが、そのときシングルマザーである主人公のドナ役を演じられた保坂さんを「すごいな」って思ったんですよね。あの役ができる人が保坂さん以外にいるんだろうかとまで思うくらいのハマリ役で(笑)。

 そういう風に言っていただけるのはありがたいですね。でも、お母さん役としては、あの役は未熟なお母さんだからできたのかもしれません。20歳そこそこで子どもを産んで、自分もまだ大人になり切れていないのに、必死で育てて。だから、「母性的」とか、「肝っ玉母さん」とか…ある意味、ドナは肝っ玉母さんではありますけど…そういう、日本人が思うお母さんのイメージよりはもうちょっとヤンキーっていう感じでしたから(笑)

――確かに、ある意味かなり先進的な女性でした(笑)

 普通の固定観念から入ると「ええ? 私がお母さん?」「もっとふくよかで、母性溢れる女性でないとダメなのでは?」とか思っちゃったりするかもしれない。でも、そうじゃなくても、お母さんはお母さん。お母さんっぽくないお母さんだって今はたくさんいるし、若くても立派に子どもを育ててらっしゃる方もいるし、「ああ、こういうのもアリなんだな」って、私もあのときは気付かせてもらったんです。別にいいんだ、ちゃんとしてなくても、一生懸命生きていればって(笑)。そして「大事なのは子どもへの思いがあることなんだな」って思いました。

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