マイコンテンツ

ここから本文エリア

特集(5)自分をびっくりさせてくれるような役に出会いたい

2013年12月11日

写真:保坂知寿撮影・岩村美佳

――ずっと四季におられましたが、退団されて、変わったことは?

 作品と出会って、役を演じてお客様の前に立つことに関しては、何も変わらないというのが私の実感です。けれども、四季のときって、やっぱり守られていたんだなと思いますね。年単位のロングランなども、外ではないことなので。そういう興行を続けられて、お客様もたくさんいらしてくださるというのはすごいことだなと改めて思いました。

 逆に、厳しいなと思うのは、変だと変なまま出ちゃって、そのお仕事が終わったら二度と先がないということ。劇団にいれば怒られるじゃないですか(笑)。それで自分が変わっていけば良かったわけですが、外に出ると、誰も何も言ってくれない。ちゃんとできているのか自分で気をつけていないと、誰も「変ですよ」って言ってくれないんだなあって(笑)。

――確かに! 私もフリーランスの立場なので気をつけないと(笑)

 でもその代わり、再演ということがあまりない分、新しい作品ともどんどん出会えますよね。今回もそうですが、色々な土壌、色々な環境で育って来た方たちとお会い出来て、今まで知らなかったお芝居へのアプローチを見せてもらうのが、今とても楽しいんです。「ああ、そういうふうにするのか!」とか「へぇ〜!」とか。この年になって「へぇ〜!」と思えるのはありがたいことだなあと、いちいち思うんです。だから、最近は「郷に入れば郷に従え」じゃないですけど、まずはその「やり方」でやってみようと心がけてます。

――なるほど。

 「私はこういうやり方ですから」だと、何も変わらないじゃないですか。やってみて「あれ?」と思うかもしれないけれど、とりあえず飛び込んでみる。それが毎回新鮮です。

――では最後に、これからやってみたい役は?

 そうですね〜。やってみたいと思わなくても、おばあさんの役とか来るかもしれませんけど(笑)。でも、自分をびっくりさせてくれるような、「えっ?」ていうくらい意表をついた役に出会えたらと思います。

――そんな保坂さんに出会えるのを楽しみにしています。どうもありがとうございました。

<インタビューを終えて>
 じつは今回、劇団四季出身の方にインタビューするのが初めてだったのでドキドキしていたのだが、お話が始まったとたんに保坂さんの「ミュージカル大好き!」という気持ちにグイグイと引き込まれてしまって、あっという間に時間が過ぎてしまったのだった。

 劇団四季時代から保坂さんの舞台は観ていたけれど、私の中で強烈に印象に残っているのが、やっぱり「マンマ・ミーア」のドナ役だった。恋するカワイイ女の子でもなく、美しいお姫様でもない、40代シングルマザーが主人公というのは衝撃だったし、それを演じられる保坂さんのような女優さんがいることも嬉しかった。日本のミュージカルもここまで来たか、とさえ思ったものだった。

 今回お話を伺ってみて、年を重ねることをむしろ楽しみ、それでいていつまでも若々しくチャーミングな保坂さんだからこそできた役だったんだなということを改めて感じた。「今だからできる役」に常に前向きに取り組む姿勢は素敵だなと思うし、それは役者に限らず、どんな仕事においても見習うべきことなんじゃないかなと思う。そんな保坂さんは、これからもずっとウォッチし続けていきたい女優さんのひとりである。

【フォトギャラリーはこちら】

◆ミュージカル「フル・モンティ」
《東京公演》2014年1月31日(金)〜2月16日(日) 東京国際フォーラム ホールC
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://fullmonty2014.jp/

《インタビュアープロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚関係の著作に「宝塚読本」(文春文庫)、「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか」(小学館新書)、「なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか」「ヅカファン道」(東京堂出版)。2013年9月に「タカラヅカ流世界史」(東京堂出版)を出版。スターファイルでも「ヅカナビ」連載中。

戻る

バックナンバー

宝塚歌劇一覧へ>> 舞台一般一覧へ>> 動画掲載記事一覧へ>> 過去記事一覧へ>>

過去記事一覧へ>>

ページトップへ戻る

Astandについて個人情報著作権利用規約特定商取引会社案内お問い合わせ