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特集(1)主役は、人よりもオペラ座そのもの

2014年1月15日

写真:「オペラ座の怪人 〜ケン・ヒル版〜」公演より「オペラ座の怪人 〜ケン・ヒル版〜」公演より=(C)岩村美佳

 「オペラ座の怪人 〜ケン・ヒル版〜」は今回で5度めの来日公演となったが、私は今回が初見。「オペラ座の怪人」のミュージカルというと、劇団四季でロングラン上演中のロイド=ウェバー版や、宝塚歌劇ほかで上演され、2014年には城田優主演で再演されるアーサー・コピット/モーリー・イエストン版「ファントム」などがあるが、ケン・ヒル版はさまざまな点で両作品とは大きく違っていた。

 両作品との一番の違いは、ファントムを主人公として立てていない点。一幕ではファントムはほとんど姿を見せず、中心となるのは、オペラ座の関係者たちによる怪人(ファントム)探し。ファントムの愛を一身に受ける歌手クリスティーン、彼女の恋人ラウル、そしてラウルの父でオペラ座の新支配人リシャードらのキャラクターは、強弱をつけることなくフラットに描かれる。見続けているうちに、主役はそこに登場する人物よりも、オペラ座そのものだと感じるようになる。

 それは、舞台を額縁で取り囲むように配された、パリ・オペラ座をイメージしたセットにも象徴されている。常にそのセットの中で役者の芝居が行われるため、オペラ座という「場」の存在感が強く、その中で右往左往する人間は矮小化され、その結果、人間の滑稽さや小物ぶりが際立つのだ。

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