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特集 (4)目に見えない情景が浮かぶ

2014年2月6日更新

 涼風真世のソロ「モーツァルト!」の「星から降る金」では、王様とヴァルトシュテッテン男爵夫人、1曲で2つの声色を巧みに使い分けられていて引き込まれた。ピンクのドレス姿の涼風は、たおやかでありメルヘンチック。

 知念里奈は「DRAMATICA/ROMANTICA」の「Cinema Italiano」が魅惑的。パーカッションの小気味よいリズムにいざなわれ、黒いミニドレス姿の知念が登場。椅子を使って挑発的に踊り、高音を力強く響かせていた。

 上原理生といえば「ロミオ&ジュリエット」のティボルト役や「レ・ミゼラブル」のアンジョルラス役での重厚感のある歌声が印象的だが、このコンサートでは上原の声のまた違った色に出会えた気がする。それを特に感じたのは「RENT」の「I’ll Cover You」。恋人にやさしく語りかけるように歌う上原に、タイトルどおり包み込まれるような安心感を覚えた。

 情緒豊かな歌声を持つ石井一孝。「トゥモロー・モーニング」より「Autobiography」では、結婚生活のリアルさが伝わってきた。そこにある日常の風景が舞台上に立ち上がり、早送りした映像を眺めるように時がめくるめく流れていく。実際には目に見えない情景が浮かび、役のジャックの本心がたゆたっている。余韻が残る一曲だった。

 今拓哉が歌う曲からは、歌詞が明瞭に聞こえてきた。「僕は自称“活字中毒”」とプログラムに書かれていたが、言葉の意味をかみしめて、大切に歌っているように感じられた。だから安心して物語の世界に浸れる。「ラ・カージュ・オ・フォール」の「ありのままの私」では、オドオドした素振りから「私は私」と言葉に発することで自分らしく生きる決意を固めていく。そんな意思が伝わってきた。

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