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特集(3)人の可能性は永遠、もっと開拓したい

2014年2月14日

写真:瀬奈じゅん撮影・伊藤華織

――「シスター・アクト」では森公美子さんとのダブルキャストが話題になっていましたが、制作発表でおふたりが一緒に歌うのを拝見して、その個性の違いがあるからこそ面白いと思いました。おふたりで歌ってみていかがでしたか?

 皆さんが、「全然違うおふたりでのダブルキャストはいかがですか」とすごく話題にしてくださるんですけれど、そこまで自分の中では重要視していないんです。それが私の中で、ダブルキャストとか再演物に慣れてしまっているいけないところなのかも知れませんが・・・。皆さんに聞かれるなかで、もっと意識しなければいけないところなんだとも思ったんですけれど、意識したところで人と違うことをやろうと思っても全く個性が違うので、何をやっても違うものになると思うんです。だから、そこまで意識しなくていいんじゃないかなと思うんですよね。

 ただ、一緒に歌ってすごく感じたのは、森さんは人を明るい気持ちにさせる天才だと思ったんです。私も一緒に歌わせて頂いて楽しかったですし、客席の皆さんもそうだと思うんです。最初で最後だったからもう1回歌いたかったんですけれど(笑)。人を幸せにするとか、人を明るい気持ちにさせることって、なかなか出来るようで出来ないから、天性のものじゃないでしょうか。素晴らしい、素敵だなと思うので、そういうところを見習えたらなと思います。

――宝塚の先輩である鳳蘭さんとの共演は初めてですね。

 鳳さんの、出てきただけでその場の空気を変えてしまう存在感も天性のものだとも思うのですが、努力して身につけて来られたことの両方でもあると思います。そういう部分も大先輩の後輩としてすごく誇りに思います。鳳さんたち上級生の方々が活躍されることで、私達がこうやって仕事が出来る道を作ってくださったんですよね。私も後輩たちが宝塚を退めた後どういう道に進もうかなと思ったときに、ちゃんと道を作ってあげられるような、こういう世界、生き方もあるんだよ、宝塚出身の女優にはこういう女優もいるんだよと、道のひとつとして残していけたらいいなと鳳さんを見ていて感じるので、初めての共演なんですけれど、沢山お勉強させて頂きたいと思っています。

――制作発表で歌を聞かせて頂いて思ったのは、私が想像していた以上にすごく格好良くて、こういう感じになるんだというのが、少し見えた気がしたんです。

 本当ですか!

――久しぶりに地声の歌を聞いたなと思ったんです。

 私も今まで裏声でしか出なかった、上の「ファ」を初めて地声で歌ったんですよ。

――上の「ファ」を地声で出すのはキツいですよね!

 相当キツいです。先日歌唱指導の先生とレッスンしたときに、その先生の魔法にかかって出ちゃったんですよ!だから自分の声や可能性みたいなものが、この公演で広げられたらなと思いました。

――服装がパンツスタイルで、地声で歌っていらしたこともあり、宝塚を思い出すような懐かしさも感じたんですけれど、最近はより女性らしさを感じていただけに、「格好良くなったぞ!」とわくわくしちゃいました(笑)。

 ショートヘアにしたからかな?(笑)。でも、あの曲を音域的に地声で歌っているんですけれど、今まで歌ってきた歌よりも高いんですよ。

――そうなんですか?退団してから色々と歌ってきた曲よりも?

 そこを裏声にせずに、地声で張ることによって、こんなにも印象が違うんだと思うじゃないですか。そういうところも歌唱指導の先生にみっちり付いて、地声の幅も広げていけたらなと思っているんです。すごくいいチャンス、課題を頂いて、感謝しています。

――男役で歌っていたときよりも上なんですね。

 全然上です!こんなところまで地声で出したことはありませんという歌を、制作発表で歌ったんだけれど、そう聞こえないですよね?

――聞こえないです。

 だから、ここまで地声で出ちゃったという自分にもびっくりしたし、人の可能性って永遠だなって思いますよね。

――宝塚での地声と退団後のファルセットの間の声を開拓されたんですね。

 「クリエ・ミュージカル・コレクション」の公演中の終演後などにこの曲をお稽古していたんですけれど、そうすると翌日の公演で「少女の頃」という曲で裏声を出したりするのが楽なんです。「高いところまで地声を出すことによって裏声が出しやすくなるよ」とは言われていたんですけれど、こういうことかとわかるようになりましたし、すごいな、奥が深いなと思って。今まで地声でここまで張るチャンスがなかったのと、そういう作品に巡り会えていなかったのかもしれないですけれど、これを機に自分の声をもっともっと開拓出来たらなと思っています。

――「シスター・アクト」は岩手、仙台公演があるそうですね。

 私自身が阪神大震災を経験しているので、現実的に必要なものが何かわかっていて、例えば住む所であったり、働く場所だったり…当時公演中だったんですけれど公演が中止になったりしたんです。だからお気持ちもわかるから、綺麗事を言えないなと思うんです。もちろん、行ってパワーをお届けします、明るい作品をお届けしますというのも必要で、今回行けることはすごく楽しみにしているんですけれど、現実的なことも続けていかなければいけないと感じているんです。コンサートなどがあるたびにロビーで義援金を集めるのに立たせて頂いたりして、去年のコンサートのときもやらせて頂いたんですけれど、パワーだけでなくそういう活動も続けて行きたいなと思います。だからといって現実的な物ばかりというのも…そのバランスが難しいなと思うんです。もちろん現実的なこともすごく必要としているし、パワーをもらうということもすごく嬉しいことだと思います。両方がバランスよく、何か皆様のお力になることが出来ればなと思っています。

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