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特集(2)リーダーの座を奪う若者、悪魔の幻影に苦しむ従者

2014年2月25日

写真:「少年十字軍」(Fluctusチーム)公演より「少年十字軍」(Fluctusチーム)公演より

 冒頭から登場人物が多く、耳慣れぬ単語や説明的な台詞が多いために、物語世界に入り込むまでに少々時間を要したが、次第に十字軍を利用して己の欲望を満たそうと暗闘する大人たちの陰謀劇と、そうした危険にさらされながらもエルサレムを目指す子どもたちのひたむきな姿にぐいぐいと引き込まれる。また、欲にまみれ「もっと、もっと」と餓鬼のように利益をむさぼり相手を出し抜こうとする大人たちと、貧しく帰る家もなく身を寄せ合いながら確固たるコミュニティを作り上げる子どもたちの姿の対比には、現代の社会へのアンチテーゼが込められているように感じた。

 中盤以降は、自分こそが大天使から啓示を受けたと嘘をつき十字軍のリーダーの座を奪い、次第に自分の嘘を本気で信じ込むようになる若者レイモン(鈴木)や、彼の従者で、悪魔サルガタナス(松本慎也)の幻影に苦しむ記憶喪失の男ガブリエル(山本芳樹)、旅の途上で十字軍に加わり、聡明だが神への忠誠心が感じられない修道士カドック(曽世海司)ら、内面にただならぬ闇や空洞を抱えた印象的な人物が登場。物語はますます大きな渦となって、矛盾や葛藤を抱えながら生きざるを得ない人間の本質に迫っていく。

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