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特集【公演評】スタジオライフ「少年十字軍」
聖戦をモチーフに、人間の業を描ききる

2014年2月25日

 皆川博子の同名小説をスタジオライフが舞台化した「少年十字軍」が上演中だ。13世紀のフランスで実際に起きた少年十字軍の逸話をベースに、大人たちのさまざまな思惑に利用され、阻まれながらも、聖地エルサレムを目指す少年少女たちの旅を、彼らや彼らに関わる人間たちの内面を深く掘り下げながら描く。Fluctus、Navisの2チームで上演され、私はFluctusチームを観劇した。(フリーライター・岩橋朝美)

 行け、エルサレムへ――。大天使ガブリエルの啓示を受け、不思議な力を持った羊飼いの少年エティエンヌ(藤森陽太)は、修道士フルク(船戸慎士)の先導のもと、アンヌ(宇佐見輝)ら、ほかの子どもたちとともに聖地エルサレムを目指す。行く先々で奇跡を起こすエティエンヌの噂が広まり、日増しに寄進や十字軍に参加する人々が増えていく。そんな中、我こそが大天使の啓示を受けた者とうそぶく領主の息子レイモン(鈴木翔音)が現れ、十字軍のリーダーの座を強引に奪取。さらに、彼らを利用しようとする大人たちの陰謀が交錯し、遠征は混乱を極める。

 聖戦という、宗教に疎い日本人には取っつきにくいテーマを取り上げているが、そこに描かれる人間の欲望や執着、虚無、盲信、葛藤は、現代社会を蝕む“心の病”と重なる。人はなぜ苦しくとも生きるのかを、多くの人物の視点で多面的に描き出した意欲作だ。

【写真】「少年十字軍」(Fluctusチーム)公演より

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◆スタジオライフ「少年十字軍」
《東京公演》2014年2月8日(土)〜3月2日(日) シアターサンモール
《名古屋公演》2014年3月8日(土)〜3月9日(日) 名鉄ホール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.studio-life.com/stage/childrens-crusade2013

《筆者プロフィール》岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター。WEBおよび出版を中心に、企画、編集、取材、執筆を行う。エンタテインメント、女性、仕事など、幅広いテーマで活動。

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