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特集 (5)梅若六郎:重厚な佇まい、圧倒的な存在感

2014年5月14日更新

 切ない恋の結末を締める近江之丞桃六役を演じるのは、この作品の監修も手がけた重要無形文化財総合指定保持者の能楽師・梅若六郎玄祥さん。重厚な佇まいと圧倒的な存在感に、登場だけでただひたすら感動してしまいます。

 能・狂言・歌舞伎で表現の仕方や台詞の言いまわしなどが異なりながらもひとつに溶け合い、ずっと昔からこんなジャンルの演劇があったかのように、すんなりと世界観にまるごと包み込まれてしまったことに驚きました。

 そしてなにより注目は、大空さんが富姫を見事に演じきったことでしょう。これまで、坂東玉三郎さんや篠井英介さんなど、男性が演じてきたこの難役。大空さんが持つ、冷たく、時に熱い血の温度で、泉鏡花が求めていたであろうヒロイン像が、鮮やかに浮かび上がったような気がします。

 宝塚の男役を辞めてもなお、そのイメージで期待を裏切らない大空さん。今後はどんな姿を見せてくれるのか、ますます楽しみになりました。

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◆「新版 天守物語」
《大阪公演》2014年4月23日(水) フェスティバルホール
《東京公演》2014年4月26日(土)~27日(日) Bunkamuraオーチャードホール
※公演はいずれも終了しています

《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。