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高橋牧子のファッショントレンド分析 2010秋冬

高橋牧子のファッショントレンド分析

 朝日新聞のファッション担当編集委員・高橋牧子が2010年秋冬のファッションや素材のトレンドをいち早く報告。ファッション、テキスタイル関係者、産業支援の施策を練られる自治体の方々、注目のセミナーの講演録をいち早くお届けします。ミラノ、パリ、ニューヨークの海外コレクションと東京コレクションを現地取材。「デザイン」「色」「素材」などのトレンドと注目デザイナーのコレクション、時代とファッションの関わりなどを、新聞記者ならではの視点で解説しました。

単品
¥2,100(税込)

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セミナー内容

第1部3大トレンドはコレ!クラシック回帰の訳は――
 今シーズンのトレンドは大きく分けると三つあります。一つは前シーズンから続くシンプルなミニマリズム。二つ目はシンプルな服のミックススタイル。そして三つ目が新たに出てきた上品なクラシックスタイル。なぜいま、そんなクラシックスタイルが登場したのか――
第2部景気は底打ち、市場も変化、ネットで加速
 ファッションを取り巻く状況が変化しています。それも三つ。一つ目は景気の回復を見越して攻めの姿勢を取るブランドが増えていること。二つ目は、中国、インド、中東など新興市場の急激な台頭。そしてブログやツイッターなど、ネットによる情報革命です。
第3部ネット発信&伝統回帰〜トレンドの背景
 最新コレクションをネットで全世界に同時中継するブランドが増える一方で、コレクションそのものは伝統回帰のスタイルを打ち出すブランドが多く見られました。でも単なる懐古趣味ではないところがポイント。そこには驚くような現代的な加工や仕掛けが――。
第4部クラシックvs.ミニマル、大穴は雪山ガール?〜トレンドテーマ
 トレンドテーマはズバリ五つ。気品ある正統派クラシックと、前季から続くニュー・ミニマリズムを軸に、黒や紺を多用したミステリアス・ダーク、より複雑になったミックス&シック、そして大穴は、ふわふわもこもこの雪山スタイルです。
第5部シルエットが変わる。クラシカルなラインが新鮮
 今シーズンは具体的なデザインよりも実はシルエットの変化が決め手。ニューカマーは大胆で優雅なフィット&フレアー。上品なエッグシェイプやアワーグラスラインもクラシカルな優雅さを表現。素材もシルエットを出しやすいフェルトやツイードなど柔らかくも張りのある生地がトレンドです。
第6部ミリタリーやメンズ調な服もフェミニンに!〜トレンドアイテム
 ミリタリー要素のトレンチコートやピーコートなど、今回はベーシックだけれどデザイン性の高い服がたくさん出ています。クラシック調の復活とミニマル、メンズライクなアイテムもありますが、フェミニンなのがポイント。ドレスも依然強し!
第7部パッチワーク、ファー使いにリボン&フリル、ディテールも充実
 「技あり!」または「フェミニン!」ディテールは、この四つに注目。ツイードやレース、ファーまでミックスするパッチワーク。ゴージャス感を演出するファーやフェザーの部分使い、リボンや花飾りはシンプルな服に今シーズンらしいフェミニンさを加えます。
第8部あったかいか、ロマンチックか。結局、素材はそのどちらか!
 フェルトやメルトンなどシルエットを作りやすくて温かい素材や、英国調のメンズライクなツイード素材、そして優しく透けるレースなどロマンチックな素材が目立ちます。さらに、服に立体感を出すような加工も。
第9部キャメルが新鮮、ダークカラーも神秘的。そして差し色は――
 今季のトレンドカラーは大きく分けて6系統。まずキャメル、ベージュなどの茶系のバリエーションが豊富。ミリタリー人気を反映したカーキや、ミッドナイトブルーなど素材によって重たく見えない神秘的なダークカラーも広がっています。
第10部アニマル、チェック、花など、今季の柄は基本の応用
 今シーズンは、正直にいうと、柄自体のバリエーションやボリュームはあまり多くありません。むしろ、温かそうな無地の質感で見せるシーズンとも言えるかも。でもそれだけではコレクションがぼけるので、時に色と柄でポイントをつくって引き締めます。
第11部基本はクラシックパンプス、冬仕様のあたたか靴も
 シューズではパンプスが大復活。ただトウやヒールの形、リボンなどの飾りは今風に。秋冬必須のブーツは、ファー使いで変化を付けたタイプがトレンド。ちょっとゴツめのマウンテン&ワークブーツもあって、これなら粉雪を蹴散らして歩けそう。
第12部バッグは豊作、バリエーション多彩!
 今季、楽しみなのがバッグです。様々なタイプが勢ぞろい。クラシカルなボストンが復活したり、ミニマルなトレンドを反映し小さなバッグが出たり。男子には当たり前のバックパックも、姿・形を変えて雪山ガールスタイルに登場?
第13部帽子、サングラス? 着こなしを仕上げるグッズは――
 帽子、手袋、ネックレス、そしてサングラスにブレスレット――。ちょっとした小物やアクセサリーの使い方次第で、着こなしは粋にも野暮にも変わるもの。今季で新しいのはユーモラスなロングネックレスと、必殺!?フードだけ??のかぶり物。
第14部メークは50、60年代女優風、ベージュ系グラデで立体的に
 メーキャップは、顔に乗せる色の数は少なめで、目元もチークも、ファンデーションになじむブラウンやベージュ系の濃淡や範囲で陰影を作って立体感を出します。でも、いわゆるナチュラルメークとは違います。リップは赤系、ヘアは黒髪に注目。
第15部才能の不在と追悼、そしてファッションの力
 今年2月、アレキサンダー・マックイーンが40歳の若さで亡くなり、世界に衝撃が走りました。時代に生き、時代と闘い、時代を描くデザイナー。その表現の奥底には時に、単に服を作るという営みを超えた、深いメッセージが込められています。

イラスト
Kazutomo Makabe
プロフィール
高橋牧子(たかはし・まきこ)
朝日新聞・ファッション担当編集委員
繊研新聞社を経て07年、朝日新聞社に入社。パリやミラノ、東京などのデザイナーコレクションや世界のファッションビジネス、街の流行などを取材・執筆している。

ページ内の写真は大原広和氏撮影

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