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ことばマガジン

ことばマガジン 昔の新聞点検隊

昔の新聞点検隊

 物置を整理していたら、長く使っていないお茶わんを包んでいた古い新聞を発見。捨てようと思ったけれど、ついつい見出しに目を奪われて読み込んでしまい……。現代とは違う言葉遣いや懐かしい内容にぷっと噴き出す。そんな経験、ありませんか?

 このコーナーでは、今では考えられないような表現や面白い出来事、現代の表記基準とは異なるような記事を、朝日新聞社のデータベースに残る過去の紙面から発掘。現在の校閲基準と照らし合わせてみて、現代風に朱を入れつつ書き直してみることを試みながら、昔と今の違いを楽しく探るコーナーです。昔の紙面と今の紙面、みなさんのお好みはどちらでしょう?

いつか世界に誇れるアニメを

2012年05月08日
(約5700字)
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【当時の記事】

漫画映画が出来るまで【下】
画面と音楽の一致が中々むづかしい 羨ましい外国の話

 然し今迄申上げたのでは音との関係が云ってない、音と画面との一致は、また難しいもので、その為に数学的な精密な台本が是非必要です

 物語が組立てられると筋に従って人物の動きをテムポに直す、例へば歩くと云ふ様な簡単な動きでも一歩は一テムポ、二歩目は二テムポと云ふ様に五線紙に書き込み、このテムポに適った音楽が作曲されてその上に書かれる、その結果一歩が半秒要するなら一秒二十四齣だから、その半分の十二齣を一歩の為に変化させて描いて行けばよいと判る、かうして音楽の俗に云ふお玉杓子と動きをこの台本で対照しつつ描いて行くと音と動きとピッタリと合ふのです

 しかし音の吹込の時演奏者とか科白をしゃべる俳優が下手だと動きと合はない場合もあるので、外国では先づ音を吹込んでそれに合はせて絵を描いて行き、ディズニィなどはさうやって出来上ったものに、さらにもう一ぺん音を吹き加へて音楽アクセントをつけてると云ふ凝り方です

 極彩色漫画も今と同じ原理、で描いて行く時に彩色に手間がかかるだけで他は撮影、現像の技術に譲る事になりますが、残念乍ら日本には本式の撮影の装置がない、私は十六ミリでやってみましたが、それでさへ相当によいものが出来るのです

 ディズニィの作品などは物語の組立からギャグの考案、作曲、線描、撮影、演奏、科白と総て人が揃ってゐるので、三百人からの人間が働いてゐるとか 羨ましい話です

 私の作品は何から何まで全部一人で、全く器械みたいに働いてやってるんで、作曲と科白だけ安い報酬を出して人にやって貰ってます、昔は現像までやってたんですが之は今は専門家に任せてます

 こんなにしてゐてもいざこのフヰルムを売るとなると、とても安くて必ず損をします、私は食べるには困らないので、少しの損は我慢しますが、好きぢゃなくてはこの仕事はやれません、先づその中には外国にまで輸出する様なものがつくれる様になるだらうと夢み乍らやってるんです

 【写真は自製の粗末な撮影機で漫画映画を製作してゐる大藤氏】・・・・・続きを読む

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