マイコンテンツ

Sample

Asahi中東マガジン

第7回 アラブで幅を効かすワスタ(コネ)の功罪 佐藤都喜子

コラム
ヨルダン報告

第7回 アラブで幅を効かすワスタ(コネ)の功罪 佐藤都喜子

2012年04月10日
(約3700字)
このエントリーをはてなブックマークに追加

拡大新保健大臣にごあいさつ:「新任の保健大臣がマアン県を初めて訪ねるのでここまであいさつしに来て欲しい」との依頼がマアン県の保健局長からあり、わざわざアンマンからマアン県に駆けつけて新大臣にあいさつしているところ。中央は仲介役を果たした県の保健局長でほこらしげな様子が見て取れる

 私がヨルダンに赴任してまだ一か月もたたない時だったと思います。突然私のオフィスに若い日本女性が現れました。「あなた、最近到着したJICAの専門家」と問われたので、素直に「はい、そうですが」と答えたところ、彼女は青年海外協力隊の隊員で私が関係する王室系NGOに3年前に配置されてそろそろ帰国するのだそうです。ひとしきり自分が今まで何をしてきたかを話された後に「まだヨルダンに来て間もないということで、一つ良い言葉を教えときますね。それはワスタ。これは覚えておくと便利ですよ」と言って帰られました。      

 

拡大佐藤 都喜子(さとう ときこ)ハワイにある米国立東西センター人口研究所にて人口学を修得。同時にハワイ大学大学院地理学科博士課程を修了。1989年に当時の国際協力事業団(現国際協力機構)に国際協力専門員として入団。その後人口・リプロダクティブヘルス関連プロジェクトのプロジェクトリーダーや(プロジェクト形成)広域企画調査員としてケニアに4年半、ヨルダンに12年滞在。調査・評価などのミッション団長や団員として東南・南アジア、アフリカ、中米を訪問。

 「ワスタ」とは間に立つ者、仲介者というような意味とのことですが、生活していて「ワスタ」に接すると日本のいわゆるコネに近い感じがします。アラブ世界では「顔で仕事をする」と良く言われますが、要はワスタで人間関係が動いているのです。ワスタがあるとないとでは、生きる上での快適度が違います。若者が職を得るのに、ワスタが必要ですし、商売をするのにも顧客の開拓や商品の調達などはワスタを使って行われます。

 たとえば、現地の人に何かを購入したり修理についての相談をすると、・・・・・続きを読む

※「購読する」ボタンを押し、購読手続きを行うと、全ての記事を購読することができます。

このページのトップに戻る