小泉政権の財政再建に学べ
2011年12月01日
■小泉進次郎氏の人気のわけ
小泉内閣は新自由主義政策を採用して、格差を拡大し、人々の絆を弱め、日本を悪くしたと論じる人が多い。しかし、ご子息の小泉進次郎氏の人気振りを見ると、その言説は信じがたい。もちろんハンサムで歯切れが良いからの人気なのだろうが、あいつの親父の時には酷い目に会ったと思っている人が多ければ、そんなに人気が高まるはずはない。
シーザーの養子のオクタウィアヌス・アウグストゥスがローマ皇帝になれたのは、養父の時代が良かったと思う将軍や兵士たちが味方をしてくれたからだ。
豊臣秀頼は父の天下を継げなかったが、秀吉の7回忌(1604年)の様子を伝える『豊国祭礼図屏風』では、京の町衆が派手な着物を着て花笠を被り、幾重にも輪になって、熱狂的に踊っている姿が描かれている。関が原の戦いで豊臣の世は終ったが、秀吉がもたらした平和を、人々が楽しみ、感謝していることが感じられる。
小泉内閣の時代は、為替は安定し、成長率も高く、雇用も伸び、最後には新卒の就職率も改善していた。これほど確かな業績をあげたのに、なぜ、小泉路線ではダメと言われるのか、私には分からない。以下、ひとつだけ、小泉内閣の功績を詳しく説明しよう。
■小泉政権は財政再建に成功していた
なぜか知られていないが、小泉内閣の末期、財政は再建されていた。図は、主要国の国と地方を合わせた純債務の対GDP比を示したものである。粗債務ではなくて純債務を見たのは、日本は借金も多いが資産も持っているので、公平な国際比較を行うためには純債務のほうが適切と考えるからである。図から、分かることは、まず、日本の財政状況は、ギリシャよりましだが、現在危機にあるイタリア、ポルトガル、スペイン、危機に陥るかもしれないフランスよりも悪いということだ。ただし、安全とされているドイツは、スペインよりも悪いから、政府債務の大きさだけで危機に陥るとは必ずしも言えない。
ただし、ここで強調したいのは、 ・・・・・続きを読む
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- 原田泰(はらだ・ゆたか)
早稲田大学教授。1974年東京大学卒業後、同年経済企画庁入庁、経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て、2012年4月から現職。「日本はなぜ貧しい人が多いのか」「世界経済 同時危機」(共著)「日本国の原則」(石橋湛山賞受賞)「デフレはなぜ怖いのか」「長期不況の理論と実証』(浜田宏一氏他共著)など、著書多数。政府の研究会にも多数参加。
WEBRONZA編集部
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