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櫻田淳
櫻田淳

菅直人内閣の「負債」――鳩山と菅には人文科学系の素養が欠けていた

2011年08月27日

●「統治の作法」の不心得 

 菅直人の執政が終焉の時を迎えた。六月上旬の「退陣表明」以来、三ヵ月の停滞は、もはや否定すべくもない。

 政治家の仕事を評価する第一の尺度は、煎じ詰めれば、「できたか、できなかったか」でしかない。菅の政権運営に関して、たとえば脱原発依存の政策志向を挙げて、「政策の方向性は誤っていなかった」と評する向きがあるけれども、こうした評は積極的な意義を持たない。「政策の方向性」を打ち出すのは、学者やジャーナリストにも手掛けられる仕事である。具体的な「権力」に裏付けられた政治家の仕事は、何よりも、「実践の結果」が問われなければならない。

拡大笑顔を見せながら官邸に入る菅直人首相=8月26日

 筆者が折に触れて示したように、政権担当能力と呼ばれるものには、三つの側面がある。

 第一は、政策遂行の手足たる官僚組織を適宜、操縦する能力である。

 第二は、政策遂行の根拠となる法案の審議に際して、野党の協力を取り付けて、関係する地方自治体や団体の利害を調整する能力である。

 第三は、政策の意義を一般国民に対して説明し、納得を得ていく能力である。この「官僚の操縦」、「各方面との利害の調整」、「国民に対する説明」の何れにおいても、菅の政権運営には粗さが目立った。

 ところで、鳩山由紀夫、菅の二代の宰相は、理工系学部出身である。 ・・・・・続きを読む

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プロフィール

櫻田淳(さくらだ・じゅん)

1965年生まれ。東洋学園大学現代経営学部教授。専門は国際政治学、安全保障。北海道大学卒、東京大学大学院法学政治学研究科博士前期課程修了。自民党衆議院議員の政策担当秘書などを経て現職。著書に『国家への意志』(中公叢書)『国家の役割とは何か』(ちくま新書)『漢書に学ぶ「正しい戦争」』(朝日新書)など。最近著に、『「常識」としての保守主義』(新潮新書)がある。

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