<野田首相は会談で、「交渉参加に向けて関係国との協議に入ることとした。1年前の横浜での日米首脳会談以降、東日本大震災があり、慎重論も強まったが、日本を再生し、豊かで安定したアジア太平洋の未来を切り開くため、私自身が判断をした。大統領の協力を得たい」と話した。
これに対して、オバマ大統領は「決断を歓迎する。これからの協議を通じて日米の協力を進めていこう」と応じたという。>(11月13日朝日新聞デジタル)
日本の国益に照らして、野田首相は正しい決断をしたと思う。野田首相は、TPPを日本の国家戦略と結びつけた。
TPPを自由貿易という観点のみからとらえると事柄の本質を見誤る。WTO(世界貿易機関)による普遍的な自由貿易体制が確立する過渡期において、できる地域から自由貿易を行うという建前を掲げながら、TPPは、帝国主義的な経済ブロックの構築を指向している。もちろん世界の経済的連携が緊密になっている今日、1930年代のような経済ブロックの構築は非現実的だ。
しかし、域内と域外の間に障壁を設けるというTPPの発想は経済ブロックと親和的だ。21世紀的な、広域帝国主義的な保護主義を、自由貿易というレトリックでTPPは追求している。
日本は、広域帝国主義的再編において、日米を基軸とするTPP、日中を基軸とする東アジア共同体のいずれを選択するかについて、これまで国家意思を明確にしてこなかった。野田首相は、東アジア共同体と訣別し、TPPに進むことで日米同盟を経済面においても深化しようとしている。
筆者は、野田首相の選択は ・・・・・続きを読む
この記事の続きをお読みいただくためには、WEBRONZA+の購読手続きが必要です。
WEBRONZA+(政治・国際 / \262(税込))を購読する方はこちら
朝日新聞デジタル有料会員の方ならログインするだけ!
「朝日新聞デジタル」を有料購読中の方は、ご利用中のログインIDとパスワードで
WEBRONZAのコンテンツがお楽しみいただけます。

- 佐藤優(さとう・まさる)
1960年生まれ。作家。元外務省主任分析官。同志社大学神学研究科修士課程修了。外務省では対ロシア外交などを担当。『3.11クライシス!』(マガジンハウス)、『はじめての宗教論 左巻』(NHK出版新書)、『国家の罠――外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮文庫)など著書多数。
関連記事
WEBRONZA編集部
@webronza からのツイート購入手順 ヘルプ
- 朝日新聞Jpass新規登録(無料)
- Astandは朝日新聞Jpassの決済サービスを利用しています。朝日新聞Jpassに登録してログインIDを取得してください。
- 商品の購読開始
- 購読したい商品のページにある「購読する」ボタンを押して、購読手続きを完了させてください。
- マイコンテンツから閲覧
- ご購読いただいた商品は、ページ右上にある「マイコンテンツ」からご覧いただけます。




