また将来の近代化に関しても米国におまかせで、価格も相手の言い値を飲むしかない。更には三菱電機をはじめとするこの分野の我が国の関連企業の開発能力低下は免れまい。
対してユーロファイターを採用すれば我が国独自の改良が可能であり、国産兵器の情報をすべて開示する必要もない。また定期的に開催される運用国の連絡会議のメンバーとなり、常に最新の技術にアクセスすることが可能だ。
防衛省筋によると、ユーロファイター側は、仮にユーロファイターが採用されれば、我が国に対してコソボ、イラク戦から今年のリビアの軍事作戦にいたるまでの航空戦闘データを提供する用意があるという。
戦闘機の開発では機体だけはなく、レーダー、火器管制装置、兵装、システム統合すべてにおいて実戦のデータは極めて重要だ。単にデバイスを組み立てるだけで高性能なレーダーや火器管制装置は開発できない。これらの開発やシステム統合にはソフトウェアが大きな比重を占めており、そのソフトの開発には実戦でのデータが非常に有用なのだ。
実戦を経験したことがなく、また輸出の経験もない我が国にとっては、まさに必要不可欠な情報だ。
ところが先に述べたように米国からこのような情報の入手は不可能だ。
ユーロファイターを採用すれば、米国相手では金を積んでも出てこない、このような貴重な情報が手に入る。
これは戦闘機自主開発に極めて大きなアドバンテージとなる。対して米国製の機体を導入すれば、 ・・・・・続きを読む
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- 清谷信一(きよたに・しんいち)
軍事ジャーナリスト、作家。1962年生まれ。東海大学工学部卒業。03〜08年まで英国の軍事誌Jane's Defence Weekly日本特派員。香港を拠点とするカナダの民間軍事研究機関、Kanwa Informtion Center上級顧問。日本ペンクラブ会員。著書に『専守防衛─日本を支配する幻想』『防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備』『自衛隊、そして日本の非常識』『ル・オタク フランスおたく物語』、共著に『軍事を知らずして平和を語るな』『アメリカの落日―「戦争と正義」の正体』『すぐわかる国防学』など。最新刊に『国防の死角――わが国は「有事」を想定しているか』。
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