1月31日のフロリダ州予備選で、ロムニー氏は圧勝し、明らかに一歩抜け出た。ロムニー氏の指名獲得はまだ即断できないが、ギングリッチ元下院議長ら保守派の他候補はこの流れを逆転するのは難しいとの見方が米国の専門家の間で広がりつつある。
共和党はブッシュ前政権以降、党内各派の対立で、そのアイデンティティーを示せずにきた。ネオコン(新保守主義者)が推進したイラク戦争に失敗。オバマ民主党政権が経済危機で税金を投入し累積債務が膨張してティーパーティー(茶会)が勃興、ポール下院議員らリバタリアン(自由至上主義者)の台頭を許し、2010年中間選挙では大勝したものの、中道派と保守派の対立が続き、党内の重心は固まらないまま。党内エリートが推す中道穏健派のロムニー氏は保守派の支持が得られず、予備選序盤で苦しんだ。
だがロムニー氏は、フロリダ州予備選で初めて党内で広範な支持を広げることに成功した。出口調査によると、ロムニー氏はキリスト教右派やティーパーティー派など保守派にも支持を広げた。ギングリッチ氏がこれらの層を固めたサウスカロライナ州予備選とは様変わりの様相を呈した。
資金量が豊富なロムニー陣営がギングリッチ氏のスキャンダルを叩き、弾みをつけた。
フロリダ州予備選は、非共和党員が投票できる「オープン」州のニューハンプシャー、サウスカロライナ両州とは違い、共和党員しか投票できないこともロムニー氏に有利に作用したとみられる。オバマ陣営の反ロムニー活動はオープン投票の州で機能したが、フロリダ州では力を発揮できなかったようだ。
オバマ陣営は予備選当初からロムニー攻撃に焦点を当てた運動を展開してきた。「全米州・郡・市職員連合」などの労働組合やオバマ陣営系の特別政治活動委員会(スーパーPAC)「プライオリティーズ・USA・アクション」などが盛んにロムニー攻撃のテレビCMを流した。ロムニー氏を「ハゲタカ資本家」と呼ぶギングリッチ陣営と民主党が共闘する奇妙な光景だった。
オバマ陣営がそれほどロムニー氏を警戒するのは、 ・・・・・続きを読む
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- 春名幹男(はるな・みきお)
1946年京都市生まれ。大阪外国語大学卒。共同通信社ニューヨーク支局、ワシントン支局、ワシントン支局長。名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授をへて、現在、名古屋大学客員教授、早稲田大学客員教授。ボーン・上田記念国際記者賞・日本記者クラブ賞受賞。著書に『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『秘密のファイル―CIAの対日工作』(共同通信社)など。
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